Tea Story 読めばきっと好きになる紅茶のお話

2015.04.22

インド紅茶の旅日記:【第一回】インドの概要

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2010年11月にインドのダージリン茶園中心に訪問した旅行記を書きます。 インド国内事情、茶園の事情、市内の様子、茶園の抱える問題点など思いつくままに記します。茶葉では世界に冠たるダージリンですが、さて内実は?

旅行記に入る前に、まずインドの基本情報から。


[ インド地図 ] ネパールの東端に接してダージリンがある

① インドの概況

インドと言ってもその概要をすぐに説明出来る人は意外に少ないと思う。
現代では「IT産業」がインドの代表的な産業で、世界に飛び出し脚光を浴びている。その一方で、日は当らないけれども無くてはならぬ底辺の産業もある事を忘れてはならない。
インドを短くまとめることは難しいが、以下の概観でおおよその輪郭を掴んだ上で旅行記を読んで頂ければ理解の一助となるでしょう。

1)インド歴史のあらまし
紀元前2,600頃のインダス文明に端を発すると言われる。紀元前1,500年頃、アーリア人が北部(パンジャブ地方)に侵入先住民を支配した。このころ身分制度(カースト制-バラモン教=ヒンズー教の母体―の聖典の中での階級制度)が出来て、今日に至るまであらゆる場面でインド社会に影響を与えている。その後いく度かの王朝出たが、有名なものは16世紀の「ムガル王朝」=イスラム王朝である。
かの有名な「タージ・マハル」(ムガル王朝第5皇帝が、亡き王妃の為に作った霊廟)もこの時代である。


[ タージ・マハル / インド ]

17世紀後半にはイギリスが南インドで台頭してきて、ムガル帝国も衰退1877年にイギリス領インド帝国が成立した。1900年代に入りイギリスの搾取で困窮を極めたインド人の中から「マハマト・ガンジー」をはじめとした独立運動があり、イギリスより1947年独立した。
この時宗教上の理由からインドとパキスタンに分裂、北部カシミール地方での領有権争いは今でも続いている。1922年の経済自由化以来、BRICSの一員として第3次産業を中心に発展している。


2)インドの基礎情報

面積:3,278,263 平方キロメートル (日本 378,000平方キロの8.6倍) 農業への土地利用は約43%
人口:11億86百万人(日本1億27百万人2008年)
※この内約65%が農業人口である。
宗教:ヒンズー教80.5%, イスラム教13.4%, キリスト教2.3%, シーク教1.9%, 仏教徒0.8%, ジャイナ教0.4% 8 (2001年国勢調査)
識字率:64.8% (日本:99.8%)
主要農産物:穀物(米、小麦など)、綿花、砂糖、大豆油粕、茶等
GDP (名目):12,175億ドル(1人当たり)US$1,031.7 (2009年IMF資料)
物価上昇率:9.1%(消費者物価)、8.41% (卸売物価指数)(2008年インド政府資料)
外貨準備高:2,690.9億ドル(2009年インド政府資料)
貿易額:輸出 1,852.9億ドル、輸入 3,036,9億ドル
主要貿易品:
輸出― 工業品、石油製品、化学関連製品、繊維、宝石
輸入― 原油、石油製品、電子機器、金、機械、肥料
貿易相手国:
輸出―UAE, 米国、中国、香港、シンガポール、オランダ(日本は12位)
輸入―中国、UAE、サウジアラビア、米国、スイス、豪州(日本は14位)
為替レート:2.04 = 1インド・ルピー(2010.12中旬)
農業生産額:約694億ドル(食品の総売上高として。自家消費は除く)
総生産額はGDPの約17% =約2,070億ドルと推定
失業率:30% (友人の情報)
銀行ローン:年率11%(友人の情報)


第二回はインドの基本情報 ②紅茶関連をお届けします

(旅人・寄稿:紅茶専門輸入商社 I氏)



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