さて、後編後篇では前回に引き続き紅茶の基礎知識をお送りしたいと思います。
この後篇ではゴールデンルールや、等級など紅茶を飲むのに知っておくと役に立つ情報を満載です!
紅茶の等級
紅茶で「等級」「グレード」という場合は、品質の良し悪しを表すのではなく、単に茶葉の「サイズ」「外観」を表すだけです。
OP(OrangePekoe)
オレンジ・ペコーと呼び、細かい針状の長い茶葉。抽出した時の水色は明るく薄いものが多く、香味が強い。
BOP(BrokenOrangePekoe)
ブロークン・オレンジ・ペコーと呼び、オレンジ・ペコーよりも小さいサイズの茶葉。水色はより濃くなり、香味も強い。
BOPF(BrokenOrangePekoeFanning)
ブロークン・オレンジ・ペコーファニングと呼び、BOPより細かい茶葉。抽出が速く水色が濃いのが特徴で、主にティーバッグに用いる。
DUST
ダストと呼び、最も細かい粉状の茶葉。
紅茶の淹れ方のルール(ゴールデン・ルール)
紅茶の特質から導き出された抽出理論に適ったルールです。
(1)良い品質の茶葉を使用する。(個人の嗜好にあったもの)
(2)適量の茶葉を使用する。
(3)新鮮な水を使うこと。
(4)沸騰直後の湯を使用する。(出来れば容器も温めておく)
(5)ポットで、最適な時間蒸らす。
これらのどれが欠けても、またバランスが崩れても最良の紅茶は出来ません。しかしそれほど神経質になる必要は有りません。
一番難しいのは、淹れる茶葉量、人数に合った湯量、蒸らし時間のバランスになります。つまりこの茶葉で、この人数だったら湯量はどれ位で、蒸らし時間何分ぐらいと言う「コツ」は結局何回か、抽出してみて自分で体験、経験するしかないのです。
【茶葉グレード(等級)別、茶葉の量と蒸らし時間の目安】
グレード:茶葉の量:蒸らし時間
OPタイプ:3.5g~4g:4~5分
BOPタイプ:3.0g:2~3分
BOPFタイプ:2.0g~2.5g:1.5~2分
ティーバッグ一袋:2g~2.5g:1.5~2分
CTCタイプ:3.0g:2分
※ 2~2.5gは、ティースプーン擦り切れ一杯、3gは中山盛一杯、3.5~4gは大山盛り一杯となる。
※ 湯量は一杯分約150~160mlとして、茶葉に吸収される分約10%余分に湯量で約170~180mlを注ぐ。
※ 一杯分淹れることは難しいので、「一人分の最低単位は2杯分」と考えて、茶葉量,湯量を2杯分入れると、旨く抽出できる。
茶葉の種類
大きく分けて「中国種系」と「アッサム種系」が有ります。
【中国種】
タンニン含有量は少ない。
酸化酵素の活性はアッサムより弱い水色はやや弱いが、デリケートな香味。
味が特徴となる主にインドのダージリン、セイロンのウバなど。
【アッサム種】
タンニン含有量多い。酸化酵素の活性が強い。
水色は濃い。香りも高く、味も濃厚。
ミルクティー向き。主にインドのアッサム、セイロンの低地産紅茶など
紅茶の効能など
【カテキン】
紅茶のコクと渋みのもと。強い高酸化作用・殺菌作用がある。
活性酸素抑制、LDLコレステロール酸化抑制、基礎代謝低下を防ぐ。
血糖上昇抑制、虫歯予防など。
【カフェイン】
覚醒作用、利尿作用、疲労回復。紅茶の苦味のもと。
エネルギー消費は、通常グリコーゲンが先に消費されるが、カフェインは脂肪を先に燃焼させる作用をする。
肥満防止、持久力必要なマラソンなどで効果があるといわれている。
カフェイン含有量:一杯160mlとして、約54-96mgほど
(コーヒー約90-120mg)
【アミノ酸】
紅茶の甘みの元のテアニンがコーヒー、緑茶より多い。
鎮静効果、リラクゼーション効果(脳でα波が増加する)
【フッ素】
他の植物に比べ多い。
一杯あたりの成分は、極微量のもので薬ではありません。
医薬品のような効果、イメージを期待してはいけません。
継続的に飲用することが大切です。
以上、前篇、後篇にわたってぜひ知っていてほしい紅茶の基礎知識をお送りしました。
これだけで紅茶葉を選ぶときに迷うことが少なくなりますね。
(ロンドンティールーム オンラインマガジン編集部)