イギリスの紅茶ブランドは長~~~い歴史がある会社ばかりですが、日本でも有名ないくつかの会社の歴史やエピソードをちょっとご紹介します。
TWINING/トワイニング
トワイニングの歴史は紅茶の歴史!!
トワイニングの始まりは実はコーヒーハウス。17世紀中頃、ロンドンでは100年くらいコーヒーハウスがブームだった時期があり、そのさなかの1706年にトーマス・トワイニングが「トムズ・コーヒーハウス」を開いたのが始まりです。
メニューに「お茶」もありましたが、当時はお茶と言えば中国産の緑茶の事で、それはメインメニューではありませんでした。 トーマスのお店には上流階級の人々が集まるようになり、その後インドのセイロンから紅茶が入ってくるようになると、好奇心のある店の客達によってあっという間にイギリス中に紅茶が広まりました。
紅茶店としてはこの店が世界初だと言われいます。
1717年にトーマスは紅茶専門店「ゴールデンライオン」を開業し、国内のみならず、イタリア、スペイン、フランス、アメリカにまで商売を広げ、1837年にはビクトリア女王から王室御用達の称号を付与され、今日まで続いています。
Fortnum&Mason/フォートナム・メイソン
1707年(おっ、トワイニングと1年違い!)、王室に使えていたウィリアム・フォートナムが、セントジェームズ・マーケットに小さな店を持っていた家主のヒュー・メイソンを説得して、共同で小さな食料品の店を開いたのが始まり。場所も今と同じピカデリーにありました。
質の高い商品を販売することで知られ、王侯貴族や上流階級からはもちろん、過去150年以上にわたって王室御用達の店舗として認定されています。
紅茶や高級食料品の店のイメージが強いですが、実は食器や宝石、服やバッグ、家具など様々なものが売られています。
BROOKE BOND/ブルックボンド
ブルックボンドは1869年にアーサー・ブルックが24歳の時にマンチェスターに紅茶の小売店「ブルックボンド商社」を開いたのが始まり。
ブルックは、風味、色、葉の大きさ、天候などの条件、紅茶と紅茶の相性を考慮し、それらをきちんとした比率でブレンドティーとして売り始めました。
当時他店では、週ごとに味が変わることが多かったのに対し、ブルックの店は高いブレンド技術で味わいが正確で安定していたことで、ぐんぐん売り上げを伸ばしました。
日本向きには作られていませんが、現在英国で最も親しまれよく売れている「PG Tips」もブルックボンドから発売されています。
LIPTON/リプトン
スコットランドのグラスゴーで食料品店の息子として生まれたトーマス・J・リプトンが15歳の時に渡米し、20歳で紅茶の輸入・販売に目をつけて、1871年に故郷スコットランドに戻って食料品店「リプトン・マーケット」を始めたのが始まり。
1890年にセイロンに買った広大な農園から収穫された紅茶によって大収益を得て、アメリカに工場を開設し、『茶園から直接ティーポットに』のスローガンで、現在までに世界150カ国以上でリプトンの紅茶が親しまれるほど広めました。1895年には英国ヴィクトリア女王から王室御用達に認定されました。
写真左はF&Mの本店。右はトワイニングのジュビリー記念紅茶缶