みなさま初めまして。セイロン旅日記です。紅茶専門店の旅日記ですから、紅茶製造に関して少し詳しく書こうと思います。
また、セイロンの文化なども後で書きますので、どんな国なのか思いをはせていただければと思います。(写真はすべて2003年、2009年にセイロン訪問の際に著者が撮影した写真です)
まず、紅茶の製造工程の概要を説明します。これに沿って詳しく説明します。(オーソドックス製法で説明します)
1. 摘採(てきさい) - 2. 萎凋(いちょう) - 3. 揉捻(じゅうねん)-4. 玉解 (たまとき)-5. 酸化発酵(さんかはっこう) - 6. 乾燥(かんそう) - 7. 等級区分 - 8. 包装
紅茶製造は「茶摘み」から始まります。
1.摘採 (茶摘み)
セイロンの茶園はプランテーション(一定の広さを持った茶園)が中心ですが、小さな農家も多くあります。
しかし小茶園は自身で紅茶の製造設備もっていませんので、茶葉を製造設備のあるプランテーションに持ち込み買ってもらいます。
茶摘み。ウバ地区で、最盛期の茶摘み風景です。
両手首を使って、スナップを効かせて「一心二葉」(一番先の芯芽と下の二つの葉)を摘みます。一日に2万回ほど摘むそうです。大変な重労働です。
まず、茶葉の籠は空の時はよいが、8~10kgになると相当重い。そして斜面で、足元は虫や、蚊が襲うし、ムシムシします。一日休憩を入れてもおおよそ8時間作業でほとんどが女性労働者です。紅茶産業が「労働集約型産業」と言われるゆえんです。
(左下に見える竹竿は、ここまで摘んだといしるしです)
茶摘み風景で、上の写真と、下の写真の違いがわかりますか?
背に背負っている、「カゴ」が違います。
上の写真では、藤で編んだかごで、下の写真では(多分肥料の)空き袋を使っています。茶園によって違うようですが、今はポリエチレンの軽量の籠を使用している茶園が多いようです。但し、有機栽培の茶園では、さすがに自然素材で作った籠を使用しています。
茶葉を運ぶ
茶葉を集荷所に運ぶ女性。1袋がおおよそ8~10kg になります。これで乾燥茶葉1kg程度にしかなりません。
第一回は紅茶の茶摘みの様子をお伝えしました。次回は集荷、萎凋(ウィザリング)の様子をお伝えしたいと思います。
(旅人・寄稿:紅茶専門輸入商社 I氏)