Tea Story
読めばきっと好きになる紅茶のお話
さて、茶葉製造の続きを書きます。萎凋の後は、ローリングです。
集荷された茶葉は36時間以内に萎凋槽に移して水分を抜きます。
そうしないと茶葉が劣化し始めて良い品質の紅茶が出来ないのです。
前日の夕方までに集荷された茶葉はすぐに萎凋槽に移して10~12時間過ぎたらすぐにローリング工程になります。
よって工場見学が朝9-10時では、すでにすべての工程が終わっていることになります。
ローリングは茶葉を「石臼を挽く」要領で、茶葉をもみ、捩る(よじる)工程です。
注意するのは、茶葉はこの時点から酸素と茶葉の酵素が反応して、酸化発酵を始めていることです。
(すなわち、水色の濃淡や、フレーバーが出来上がり始めている訳です。)
従って、時間と、ローリング圧力の調整が重要になります。
ローリング機より出た茶葉。捩れているが、まだ長い茎が目立つ。
*揉捻の後のローターバン(セミ・オーソドックス製法)
ローリング工程では茶葉を揉んで、捩りますが、更に細かく肉ミンチ機のような機械で、茶葉を切り刻みます。 2~3台連続的に茶葉をローターバンに掛けます。
上の写真は、中に入れる棒、下の写真は固定された筒に中に入る棒が入ったところ。
回転することで、茶葉がねじり切られ、ミンチ肉のようになって出てきます。
写真左手の茶葉: ローラーから出たばかりの茶葉。まだ長い茎がある。
写真右手の茶葉: ローターバンからでた茶葉。細かく切り刻まれている。
第三回は集荷、揉捻(ローリング)の様子をお伝えしました。次回は玉解き(Roll Breaking )の様子をお伝えしたいと思います。
(旅人・寄稿:紅茶専門輸入商社 I氏)