Tea Story
読めばきっと好きになる紅茶のお話
さて今回は茶葉の乾燥についてです。
熱風乾燥が主流。約95℃の熱風で、約20分。この段階で出来上がりの茶を「荒茶」(あらちゃ)と言う。
日本の食品衛生法で言う「原産地」は、この荒茶の製造された国を言います。
乾燥は、酸化発酵を止める為、水分含有量を3~4%まで落として、長期保存を可能にするためです。
(参考)インドDarjeelingのTumsong 茶園での荒茶。この荒茶は緑っぽい色で、醗酵を調整している)
乾燥機(1)セイロン(ペドロ茶園)
5段のマット・ドライヤー=ベルト・コンベヤー上を茶葉が動き、中の熱風で乾燥し、写真男性の足元当たりに乾燥茶葉が落ちてくる。
乾燥機(2)セイロン
箱型の乾燥機。後ろの箱の中で乾燥させ、前に流れ出てくる。
乾燥機(3)セイロン
非常に古い、箱型の乾燥機。箱の中を熱風が吹き乾燥。
乾燥機(4)インド・ダージリン(参考写真)
最新の乾燥機である。写真左上から茶が投入される。箱の中は6段位のベルトが回転しており、中に熱風が吹き、茶葉はだんだん下に落ちて最後は左下の出口から出てくる。おおよそ20分位だろうか。
*清浄(クリーニング)Cleaning
乾燥が終わった後は、等級区分ですが、その前に必要な工程があります。それは、「荒茶」に含まれる、余分な茎、微粉末などを取り除く作業です。静電気を利用して取り除きます。セイロンでは「ストーク・エクストラクター」 Stalk Extractorと言う機械を使います。
(下の写真)静電気を帯びた筒に茎やら、粉塵やらが付着して、掻きとっている。
縦型のストーク・エキストラクター
第六回は乾燥(Firing,Drying )の様子をお伝えしました。次回は等級区分(グレイディングGrading,Screening)の様子をお伝えしたいと思います。
(旅人・寄稿:紅茶専門輸入商社 I氏)