いろいろなオンライン紅茶ショップを見ていると個人の方がやっているお店がちらほら。そんな中で気になったのが「バイヤーが厳選して○○エステート(農園)から直輸入!」などの表記。これ、実はかなり要注意なんです。
1. エステート直輸入品は「紅茶」ではなく「農産物」
紅茶とは各エステートから買い取った茶葉(この時点では農産物)を「ブレンド」してその国の水や嗜好にあった商品=紅茶にします。
つまりブレンドをする前の茶葉はまだ紅茶じゃないんです。もちろんブレンドする前のものですから普通に入れても、日本の水に合った状態にはなっていません。
2. ブレンドする前の茶葉はあくまで「材料」
エステート直輸入のものが価値が高いと仮定して、有名ブランド、メーカーが「バイヤーが厳選した○○エステートの茶葉を使用!」とエステート名を挙げている例があるでしょうか?
おいしい紅茶にとって価値があるのはエステート名ではなく、各エステートから買いとった茶葉をブレンドし、独自の味にすることにあります。
単一のエステートからとれた茶葉をそのまま紅茶にする、というのはそもそもありえないことです。 このあたりは紅茶百科の「海を渡ってお家に紅茶が届くまで」に詳しく書かれています。
3. 個人輸入は茶葉の質に対して割高
喫茶店やメーカーのオリジナルブレンドと呼ばれるものはコンテナ詰され船舶運輸で日本に仕入れることで、実際の商品にかかる運送コストを抑えています。
それに比べ、エステート直輸入は航空便がほとんど。これが茶葉にコストとして計上されてしまいます。このような商品は実際の茶葉よりも航空運賃のほうが高いことがしばしばです。
まとめ
すべてのエステート直輸入茶葉がそうであるとは限りませんが、一般的な紅茶業界ではエステート直輸入品はそのまま商品にはしません。
かならずブレンドを行うため、エステートの名前などは関係なくなりますし、またそれぞれの加工者が茶葉を厳選していることは言うまでもありません。
以上、お買い物をする際にエステート直輸入品を見つけた際は少し用心してみてください。
(ロンドンティールーム オンラインマガジン編集部)