Tea Story 読めばきっと好きになる紅茶のお話

2015.04.23

「フレーバード・ティー」と「センティッド・ティー」について

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さて、今若い女性の間で流行っているフレーバード・ティー(Flavored Tea)とセンティッド・ティー(Scented Tea) についてお話します。

「フレーバー・ティー」「センテッド・ティー」とは?

1)フレーバード・ティーは、「茶葉に香料を噴霧などして着香した茶」です。

基本は茶葉にあるのではなくて、フレーバーにあります。従って茶葉の香り、味が強すぎると折角のフレーバーが負けてしまいますから、使用の茶葉は特徴が少ない穏やかな物が向いています。代表的なものにアールグレイ・ティー、アップル・ティーがあります。

 

2)一方、センティッド・ティーは、「花、果実、香辛料などを混ぜて、その香りを茶葉に吸収させた茶葉」、代表的なものに、ジャスミン・ティー、ローズ・ティー、ミント・ティーなどがあります。

使用茶葉は主として緑茶を使用します。花びら 、果実ピールなどを混合する場合もあります。

3)フレーバード・ティーは、その味加減が非常に微妙な紅茶です。なぜなら、香りは国、人によって様々な嗜好があるからです。

味わう時は、いくつか試して、自分の好みに合う「味加減」の茶を選ぶようにすると、長続きします。

 

歴史的観点

歴史はセンティッド・ティーのほうがはるかに古く、中国などの特産物でした。フレーバード・ティーの多くは、天然香料の開発が進んだ1960年代から誕生しました。

なお、「フレーバード」、「センティッド」という言い方は、英文名をそのまま日本語に表記したものです。ですから、正確には「フレーバー・ティー」と言うのは正しい呼び方ではありません。

また、フレーバード・ティーが誕生した背景は、良質の茶葉が手に入らないとか水質が茶葉に向いておらず、どうしても茶葉の特徴が出ないなどの理由があります。

ですから、そうした国で生まれ、発売されていることも併せて覚えておくとよいでしょう。

1)アールグレイ・ティー ( Earl Grey Tea)

一番古い歴史を持つフレーバー・ティーです。Earl = 伯爵(はくしゃく)という意味です。Grey= 1830年代のイギリスの首相「チャールズ・グレイ」に由来します。

従って「アール・グレイ」は「グレイ伯爵」という意味になります。原料茶葉は、昔から中国の「キーモン」紅茶を使用することが多いですが、特に決まりは無い為、セイロン茶等も使用されます。

また、香料は「ベルガモット」の香りを、精油や香料で着香します。

* 柑橘系のベルガモット・オレンジはイタリアのシチリア島で採れる。しかし「ベルガモチン」という成分が体内の酵素の働きを阻害するため、降圧剤などを服用している場合は、降圧剤の効果が強くなり、思わぬ症状が出る事もあるので、飲用を控えた方が良いと言われています。(詳しくは医者にお問い合わせ下さい)

* Twining’s のアールグレイは「レディー・グレイ」というブランドで有名ですが、ここにはベルガモット香料の他に、オレンジ・ピール(オレンジの皮)、レモン・ピール更に矢車草の花 (香りには関係ない飾りです)などで独特の香りを作っています。言ってみればセンティッド・ティーと合体した茶とも言えます。

* 香料は、精油を茶葉に噴霧して着香する方法と、最近はベルガモット精油を顆粒状にしたものを添加する方法があります。顆粒のフレーバーは香りが逃げにくく、取り扱いが精油より簡単で長持ちするからです。湯を注いだ途端その香りがパッと広がります。

* フレーバーは温度が高いほど引きたつので、アイス・ティーなどを念頭にして強めのフレーバーを付けたアールグレイを、ホットで淹れると不慣れな人はその香りは、強すぎて飲みにくいものとなりがちです。(石鹸臭などと表現する人もいます)その時は湯を足して、薄めて飲用すると飲みやすくなります。

2) アップル・ティー Apple Tea

ほとんどは、人工香料である。青りんご、赤りんごなどある。香料は、微妙な加減が必要です。

3)ピーチ・ティー Peach Tea

ホットよりも、夏の「アイス」が好評です。みずみずしいまろやかな風味のピーチが茶葉の香りもやさしく包みます。

4)ストロベリー・ティー Strawberry Tea

ロシアでは紅茶とは別にスロベリー・ジャムを食べながら紅茶を飲む習慣があります。イチゴの香りは紅茶には合います。

ストロベリー・ティーには、香料で香りを付けた紅茶と、生食用のイチゴを紅茶を淹れる段階から一緒にポットで蒸らして、香りを加える方法があります。

イチゴの最盛期には甘めのイチゴ2個をスライスして、茶葉と一緒に蒸らします。ミルク、砂糖も好みで入れましょう。

5)ブルーベリー・ティー Blueberry Tea

ブルーベリーが持つ甘酸っぱい香りが特徴です。正に「フルーティー」と言うにふさわしい香り、味のTea です。

以上は「フレーバード・ティー」です。以下は「センティッド・ティー」です。

6)ジャスミン・ティー Jasmine Tea

茶葉は主に中国緑茶を使います。そしてジャスミンの花びらを入れて香りを移します。張り詰めた気持ちを、リラックスさせる効果があるセンティッド・ティーの代表です。

7)ローズ・ティー Rose Tea

乾燥したバラの花びらを混合してその香りを楽しみます。中国の特産物で評判です。

8)ミント・ティー Mint Tea

普通はミント(ハッカ)の香りで着香します。しかし有名なのは「モロッコ」 で常飲されている、生のミントの葉で淹れるお茶。たくさんの砂糖を加えて飲みます。

これが本来の飲み方と言われますが、最近は香料で着香した「フレーバード・ティー」のミント・ティーが多い。三井農林のミントティーは、細かく砕いたドライ・ミントをブレンドしてあり、評判です。

以上ですが、最近はドライ・フルーツのブレンドが多く出ています。

なお、レモン・ティーは日本人の考え出した飲み方で、お馴染です。

(欧米では先ず飲みませんが )皆さんも長く飲める、ほどほどの味、香りを見つけて下さい。

(ロンドンティールーム オンラインマガジン編集部)

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