牛乳の「キャップ付きパッケージ」にNOを提唱します。
スーパーに行くと、最近よく見かけるキャップが付いた牛乳パック。
ここ数年で様々なメーカーがパッケージをキャップ付きへと変更していき、もはやキャップ付きが主流となっています。
まず結論から申し上げると、私は牛乳パックにキャップなど無用の長物であると考えています。
メーカー側は「開けやすい」「注ぎやすい」など様々なメリットを挙げていますが、果たして本当にそうなのでしょうか?
「握力がないから開けられない」「注ぎづらいしこぼしやすい」といったネガティブな意見も多く見受けられます。
しかしメーカー側はどんどんとキャップ付きのパッケージへと移行するようです。
この流れに私は強く反対したいと考えています。
ロンドンティールームでは1日に50~60本の牛乳を消費しますが、キャップ付きパッケージにはデメリットしか感じていません。
そこで今回は「牛乳パックのキャップ付きパッケージ」について、ロンドンティールームのマスターとしての見解を述べていきます。
デメリット①キャップ付きになったことによる「実質的な値上げ」
最近の主流は900mlとなっています。
メーカー側の説明では1ℓだと飲みきれないという消費者が多かったため900mlへと変更になったそうですが、それによって1本あたりの値段が安くなったとは感じられません。実質的な値上げといえるでしょう。
牛乳本来の品質向上のために値段が高くなるのならまだしも、無用なもののために値段が高くなっているというのは到底受け入れられません。
デメリット②ゴミの分別による手間が増えた
牛乳パックはゴミやリサイクルに出す時の手間も重要なポイントとなるかと思います。
新パッケージでは、キャップ付きになったことによってキャップ部分と容器の部分を分ける必要が出てきてしまいました。
特に我々のような飲食店で発生する業務用ゴミの場合、キャップをしっかりと分別して出さないと引き取ってさえもらえません。
1日50~60本消費した牛乳のパッケージから、1つ1つ丁寧にキャップをはがしていく必要があります。
その要らぬ手間のせいで、本来その時間にあてられたであろう業務がどんどん後ろ倒しになってしまいます。
また、ゴミ収集業者の方もこのキャップ付きの牛乳パッケージには苦労しているという話もよく耳にします。
ゴミを処分するのにも手間と費用がかかります。
以前のパッケージであればそのままリサイクルに回せましたが、今のパッケージだと分別に非常に手間がかかります。
処分に手間がかかってしまう分、結果的に私たち消費者にかかってくるコストもどんどん嵩んでいくだけとなります。
3.プラごみの問題
最大のデメリットはプラスチックゴミの問題です。
キャップだけではなくキャップに内蓋が付いているものだと、更にゴミが増えてしまいます。
日本でも2020年7月から実施されているレジ袋の有料化が記憶に新しいですが、そもそも有料になった背景はプラスチックごみ削減のための取り組みです。
政府はこの有料化を「環境問題解決に向けた、人々のライフスタイルの見直しのきっかけ作り」が目的としています。
レジ袋削減を唱えて有料化されたのに、牛乳パックはプラスチックのキャップ付きにどんどん移行されていくとは本末転倒になるのではないでしょうか。
全世界的にプラスチックゴミを減らす運動をしているのにも関わらず、これでは世の動きにも反しているといえるでしょう。
このご時世に、牛乳パックのキャップなど時代の流れに反している
果たして、このようなデメリットを補って余りあるほどのメリットがこの新パッケージにあるのか…?
最初にも申し上げましたが、私自身は牛乳パックにキャップなど全く必要のないものだと強く思っています。
長期保存の必要性がある醤油などの調味料についてはキャップで封をする必要性もありますが、もともと牛乳は消費期限も短く開封後はすぐに消費するものです。
キャップ付きにしてしまうことにより消費期限への意識も薄まりやすくなってしまいます。
酪農家の方がどれだけ美味しさを追求したとしても、消費する我々が美味しいうちに消費しなければ意味がありません。
短期的消費のものに対して、長期保存に向く仕組みを採用して意味があるのか?
プラスチックゴミの問題を無視してまでキャップにする必要性が本当にあるのか?
牛乳のキャップ付きパッケージは、我々にとっても牛乳にとっても何のメリットもないものではないでしょうか。
メーカー側も、消費者の大きな声や世論には耳を傾けざるをえないでしょう。
これを読んでくださっている皆様には、どうかいま一度意識して消費行動を考えていただきたいと思っております。
2日間分の牛乳キャップ(追記:2020年10月5日)
視覚的にもどれくらいのゴミになるのか分かるよう、牛乳パックのキャップを2日間ためてみました。
堂島本店のみでこの量です。
1週間分の牛乳キャップ(追記:2020年10月12日)
前回からさらに堂島本店・阪急メンズ館店の2店舗分を1週間分ためてみました。
容量13Lのバケツにほぼ満杯の量の牛乳パックキャップがたまりました。
これだけ無駄なプラゴミがわずか1週間でたまることを考えると、全国的にどれほどの量になるのでしょうか…。