Tea Story 読めばきっと好きになる紅茶のお話

2016.07.06

ロイヤルミルクティーの発祥について

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ロンドンティールームは、ロイヤルミルクティー発祥のお店。現在、広く知れ渡っている「煮込んで作る」ロイヤルミルクティーは、40年以上前にロンドンティールームが考案・命名したものなのです。

今回は、40年以上にわたって看板メニューを張り続ける「ロイヤルミルクティー」がいかにして生まれたか、その歴史についてお話します。

ロイヤルミルクティーの発祥はロンドンティールーム

“ロイヤルミルクティー”といえば、香り高い紅茶の味わいと、濃厚なミルク感……というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

現在、様々な喫茶店で提供され、広く知られている「鍋で煮込むロイヤルミルクティー」。その歴史は、ロンドンティールームから始まりました。

お話は、1980年代の初頭まで遡ります。
当時、一部の喫茶店では「ロイヤルミルクティー」という名前のメニューが提供されていたようです。しかし、当時のロイヤルミルクティーは、現在のように鍋で煮込むものではありませんでした。

ロンドンティールーム開業以前(1983年以前)のロイヤルミルクティーは、どのようなものだったのか。紅茶界の重鎮 斎藤禎 先生の1975年発行の著書「紅茶読本」から、レシピの記述を見つけることができました。

“一人前ティースプーン一杯の高級紅茶をポットに入れ、一人当り四分の一カップの熱湯を注いで、ティーコジィーをかぶせて濃く出るまで待つ。一人当り四分の三カップのミルクをパンで沸かして、カップに注ぎ、その上から、黒くなるまで濃くだした紅茶を注ぎ、砂糖を加えてよくかきまぜる。ミルクと紅茶がよく調和してやわらかなコクのあるミルクティーとなる。朝の食卓用としても、アフタヌーンティーにも適している。”

斎藤禎 (1975).『紅茶読本』,P242

上記にある通り、1975年当時のレシピと、現在のレシピはまったく別物。そして、現在広く知られているレシピを開発したのは、他ならぬロンドンティールームです。

ロンドンティールームのロイヤルミルクティーについてもっと詳しく知りたい方は、特設ページをご覧ください。

英国が原点 当店発祥のロイヤルミルクティー

ロイヤルミルクティーとチャイの違い

ロンドンティールームのロイヤルミルクティーは、シンプルな材料だけを使う点、使う茶葉そのものに手を加えた点などが独自性として認められた結果、特許認定を受けることもできました。

▼特許についてはこちら▼

【特許】「ロイヤルミルクティーの製造方法」が特許を取得しました。

ただ、”茶葉を鍋で煮込む”という作り方をするため、インドの「チャイ」と同一視されることも。しかし、実はまったく違う飲み物なのです。

日本でチャイの提供が始まったのは、1970年代のころ。ガツンとくる甘みとスパイシーさを合わせ持つチャイは、当時からから大人気でした。煮込み紅茶といえばチャイ、というイメージがあるのは、チャイを売り出し始めた専門店の努力が実を結んでいるからでしょう。

そんなチャイのお店に対抗するためには、チャイにないインパクトを持った紅茶が必要でした。そこで、イギリスのミルクティーをモデルに、紅茶と牛乳本来の味わいを活かしたミルクティーを作ることにしたのです。

チャイとロイヤルミルクティーの違いが気になる方はコチラ

ブログ『こんなに違う!チャイとロイヤルミルクティー』

では、どうしてイギリスのミルクティーをヒントに、「ロイヤルミルクティー」という新しい飲み物を開発しようと思ったのか。そのお話は、ロンドンティールームのマスターが魅せられた、たった一杯のミルクティーから始まります。

目指したのはイギリスの家庭的なミルクティー

紅茶と牛乳本来のうまみを楽しめる、ロンドンティールームのロイヤルミルクティー。そんなロイヤルミルクティーを作ろうと思いいたったのは、紅茶の本場・イギリスのミルクティーを味わったことがきっかけでした。

ホテルのアフタヌーンティーのように形式ばったものではない、大きなマグカップでラフに振舞われたそのミルクティーの味は、当店マスター・金川の想像をはるかに超えるおいしさでした。

1970年代初期の日本では紅茶といえばストレートティーが主流で、「紅茶にミルクを注げばミルクティー」という考えが当たり前。そんな時代の日本では、決して出会う事のできなかった味わい。

この出会いが、ロンドンティールームのロイヤルミルクティーの開発へと繋がっていくのです。

「ロイヤルミルクティー」の名前に込められた想い

ロイヤルミルクティーという名前は、日本で付けられたものです。イギリスにロイヤルミルクティーという名前の紅茶はなく、イギリスらしさを出すために付けられた名前だと考えられます。

ロイヤルとは、「王の・王室の・高貴な」などを意味する単語です。一般的なロイヤルミルクティーは、ミルクティーに比べて濃厚・高級感のあるイメージを浸透させるために「ロイヤル」と名付け、使い分けられている事が多いと考えられます。

しかし、ロンドンティールームのロイヤルミルクティーの名付けには、違った意図が込められています。

ミルクティーに対する新たな着眼点や発想を与えてくれたイギリスのミルクティーへの敬意と、煮込み式ロイヤルミルクティーの発祥店として日本の紅茶文化を背負っていくという強い想い。

そして、「ロイヤル」の名前に相応しいミルクティーであるという自信。

そんな想いを詰め込んで「ロイヤルミルクティー」と名付けました。

発祥店の名に恥じぬように。本場・イギリスのミルクティーの美味しさを伝え続けるために。

ロンドンティールームを開店してからの数十年間、毎朝早朝からミルクティーを作り続けられたのは、その一念からです。

ご家庭でもお楽しみいただけます

ロンドンティールームのロイヤルミルクティーは、40年間当店の看板を守り続けた歴史あるメニューです。材料・レシピともに、お店とまったく同じものを公開しておりますので、ご家庭でもお楽しみいただけます。

ご家庭でロンドンティールームのロイヤルミルクティーを作ってみたい方は、ぜひロンドンティールームの「ロイヤルミルクティー専用茶葉」をお試しください。煮込んでも雑味・エグ味が出にくく、まろやかで濃厚なミルクティーになります。

40年間積み重ね、改良を繰り返してきた歴史の味、ロンドンティールームのロイヤルミルクティー。発祥店の味、ぜひご賞味ください。

ロイヤルミルクティー RM-023 煮込み式専用 紅茶葉(リーフティー)

1,609円 (税込) ~ 11,664円 (税込)

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