Tea Story 読めばきっと好きになる紅茶のお話

2012.09.20

ひとつの紅茶を知ることで百の紅茶を知ることができる話

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世の中にはさまざまな紅茶があります。ディンブラ、ヌワラエリヤ、キーマン、ダージリン、アールグレイ・・・ そういった紅茶の中で、「お気に入り紅茶」や「普段飲み紅茶」はみなさん持っていますでしょうか?

よく紅茶に詳しい人はさまざまな紅茶の特徴を知っています。味の特徴や違いを知っている方が、同じ種類の紅茶でもお店によって味がちがったり、ブレンドによる違いをしることが出来たりして、紅茶の楽しみがより広いものになります。では、どうやったら紅茶の味の違いを覚えることができるのでしょうか。

「基準」の紅茶を毎日飲むこと。

まず間違えやすいのが、いろいろな紅茶に手を出して、いつもバラバラの紅茶を飲んでしまうことです。もちろん何を飲むのも自由なのですが、自分の中の「基準」がないと違いを感じるのが難しいのです。

いろいろな紅茶の特徴を覚えたりするために一番効果的なのは、実は自分の基準の紅茶を決めて、毎日飲むということ。基準となるお気に入り紅茶ができてしまえば、他の紅茶はお気に入り紅茶との違いで覚えることができます。

たとえば極端な例ですが、ディンブラのストレートを毎朝飲んでいる人であればウバティーを飲んだ際、「いつも飲んでいるのよりすごく渋い」といった違いや、キーマンを飲んだ際に、味が全然違うことがわかります。この場合、できるだけシンプルな紅茶を基準にするほうがより小さな違いに気づきやすくなります。

当店のマスターも修業時代にはひたすらヌワラエリヤを飲んでいたそうです。違いがわかれば覚えるのは早いです。ディンブラよりも渋いけどウバよりは渋くない、といった相対的な覚え方ができます。

基準には、シンプルなお茶がおすすめ。

ここで選ぶ紅茶はダージリンやアールグレイなど、香りや味に大きな特徴があるものよりも、シンプルなセイロンティー(ディンブラ)やヌワラエリヤなどのほうが、他との区別がつきやすくなります。普段自分が飲んでいる紅茶よりも渋さはどうか、コクはどうか、香りはどうか。ミルクティーにした際の微妙な味の変化(ミルクに負けていないか、ミルクに合う紅茶なのか)が繊細にわかるようになります。

日本紅茶協会でも「紅茶の美味しい店」の認定を出す際には、そのお店のシンプルな紅茶としてセイロンティーなどを試すことが多いそうです。シンプルな味だからこそ、水の違いや温度の違いがわかりやすく、美味しく淹れるのが難しい紅茶なんです。お気に入り紅茶を選ぶ際は自分にとって飽きない、シンプルなもののほうがよさそうです。

もちろん毎日違う紅茶を楽しみたい方もいらっしゃると思います。それに無理に毎日同じものを飲み続けることもありません(修行中なら別ですが)。そういう方は、たとえば朝だけでも同じお気に入り紅茶を淹れるようにしたらいかがでしょうか。毎朝お気に入りを飲み、午後には日替わりの紅茶を楽しむといったことができますし、午後に飲む紅茶をより楽しむことが出来ると思います。

茶葉の微妙な違いがわかればいろいろな紅茶を試す際の楽しみが広がります。ぜひみなさんも、お気に入りの紅茶をさがしてみてください。

(ロンドンティールーム オンラインマガジン編集部)

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