Tea Story 読めばきっと好きになる紅茶のお話

2015.04.23

紅茶に「合う水」「合わない水」:紅茶と水の話(後篇)

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さて、今日は前回の続きで、「紅茶をいれる水」の続編です。
今回は紅茶の水で「してはいけないこと」を書いてみます。

目次

紅茶の水で「してはいけない」こと

イ)長時間沸騰を続けた湯を使うこと

中の空気が(酸素)が無くなり、カルシウム濃度が上昇し、pHが9.0mg/リッター以上で、アルカリ寄りになって、好ましくない。(新鮮な水を半分以上加えれば使用可能です)

ロ)2度沸かしの湯を使うこと

この場合も、中の空気(酸素)が不足して、茶葉の成分を溶出させる有効物質に変性が起こり、紅茶にとっては「死んだ状態の水」となります。(これは、残念ながら、捨てて新鮮な水を使用した方がよいでしょう)

ハ)市販のミネラル・ウォーターを沸かして使うこと

今までの説明でお分かりの通り、ミネラル類が多いこと( 但し、「ボルビック」はミネラル類が少ないので合格するが、空気は少ないので、そのままではやはり不適といわざるを得ません )

空気が無いことで紅茶にには不向きです。(単純に、「水道水より旨いから紅茶にも良い」と考えると失敗します。成分が大事です)

どうしても使いたいなら、新鮮な水道水を半分以上加えて沸騰させればかろうじて合格するかも知れません。

ニ)魔法瓶の湯を再度沸騰させて使うこと

再度沸騰させても空気がなくなっているので、そのままでは紅茶本来の風味は出ません。再度沸騰させて使うときは、水道水を半分以上加え(差し水)て、使いましょう。

まとめ

「勢いよく出した新鮮な水道水を、2分ぐらい沸騰させて、一気に茶葉の入ったポットに注ぐこと。そして、茶葉にあった適度な蒸らし時間をとること」

たったこれだけの「まとめ」になりました。

(参考)ポットの中で茶葉の対流を促す為に、「なるべく高い所から注ぐと良い」と言う人もいますが、沸騰した湯は直後から急激に温度が下がることは実験で明らかです。

紅茶本来の香り成分の殆んどは95℃以上で溶出されます。ですからできる限り、95℃以上を長く保つことが基本です。

「高いところから注ぐ」のは対流を促すかもしれませんが、香りを十分引き出すと言う点ではお薦めできません。

あくまでケトル(やかん)近くまでティー・ポットを持って行き、一気に注ぐことを基本にしてください。

その方が熱湯によるヤケドの危険も少なくなります。

紅茶をいれる水のお話いかがでしたでしょうか?紅茶はお水(お湯)でぐっと味が変わりますので一番気をつけたいところです。

(ロンドンティールーム オンラインマガジン編集部)

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