Tea Story 読めばきっと好きになる紅茶のお話

2015.04.23

紅茶に「合う水」「合わない水」:紅茶と水の話(番外篇)

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イギリスの水と紅茶

イギリスの水は一部の天然水を除いてミネラルを多く含む「硬水」です。

この硬水は沸騰させてもミネラル類は減少しないので(永久硬水といいます)、そのまま使うとどうしても紅茶の水色は黒ずみ、香は押さえられて紅茶の特徴が出ないのです。モッタリとしたなんとも頼りない紅茶となります。

ですから、イギリスの紅茶のブレンドは少しでもこの水に合うように「コク」を重視して行われます。アッサム、ケニヤなど多く使用する所以です。

なお、「この水の欠点(黒っぽく紅茶液が出ること)を隠す為にミルクを入れる」のだと主張する人がいますが、あくまで健康的な理由(つまりカルシウムが補充できる)からだと思います。

イギリスではなかなかストレートで紅茶本来の味の紅茶は飲めないようです。日本人に生まれて良かった!と思う瞬間です。

ジャンピングの起こる過程とジャンピングの必要なわけ。

ジャンピングとは、湯の中で茶葉が湯の対流により上下に動くことです。つまり、熱湯は軽くなって上に上がり、温度が下がるに従って重くなり下部へ戻り、対流が起こります。

また空気をタップリ含んだ湯は、中の空気の方が水より先に「気化」(気体になること)しようとして、上部に動くので対流を促進します。この対流はおおよそ湯温80℃位まで続きます。

ジャンピングの効用は、茶葉全体に熱い湯がいきわたり茶葉の成分が早く、充分に溶出させる為に必要なことです。然し、リーフティーではなくケニヤのCTC茶葉(粒状茶葉)では起きません。

画一的に、「かならずジャンピングをさせねばならない」と覚えないことです。正しい淹れかたさえ実行して、蒸らせば必ず意に沿う紅茶は出来ます。

 

今回はちょっぴり豆知識でした。

(ロンドンティールーム オンラインマガジン編集部)

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