Tea Story 読めばきっと好きになる紅茶のお話

2014.09.24

新しく喫茶店を開く人が紅茶メニューを作るときに気をつけること(第2回)

twitter

今回は実際に「どういう紅茶をどういう形でメニューに載せるのがオススメなのか」についてです。

目次

種類について

まずメニューに載せる紅茶は最低限の、「ミルクティー向けブレンド」「ストレートティー向けブレンド」「アールグレイなどのフレーバー系、変わり種」の3種類くらいが一番バランスがいいのではないかということです。

この揃え方ですと紅茶好きの方の多くをフォローできますし、後からメニューも広げやすいです。

紅茶の飲み方としてそのまま飲む(ストレート)、ミルクを入れる(ミルクティー)の2つがありますし、それ以外にフレーバーを好む方も多いです。
この3種でしたらまずお客様も納得という感じではないでしょうか。

これ以上ですと、そもそも来店されるお客様はそんなにいろんな紅茶を望んでいるのか、という点がわからないですし、在庫が増えて捌けなくなる可能性があります。

まずは最小限の3種類くらいでいいと思います。

提供の仕方に注意!

気をつけないといけないのは提供の仕方です。

必ずミルクは添えましょう。ストレートティーを注文された方にもミルクは提供しましょう。

ミルクを入れる、入れないはお客様の自由です。「この紅茶はストレート向きだからミルクを入れるのはおかしい」という感覚は店主の感覚であり、お客様の感覚ではありません。

1杯目はストレートで、2杯目はミルクを入れてというのが好きな方もいますし、ストレート向きの渋くてコクのない紅茶にミルクを入れる方もいます。そこは好き好きです。

お客様に楽しんでもらうために。

お店としてはいい気分じゃないかもしれないですが、お客様はお金をだして好きなように紅茶を飲む権利を買っているのだと理解してください。

あくまで「お客様が美味しいと思う紅茶」を出すのが大事で、「自分が美味しいと思う紅茶」をお客様に出すのではないということです。

お店として「ストレートティーにお勧め」という姿勢だけあればそれ以上はお客様の自由です。これは非常に難しい話だと思います。

このあたりは色んな意見あると思いますが、別の記事で詳しく書こうと思います。

メニュー表記について

ここであえて「ブレンド」と書いているのは例えば「○○農園のダージリン セカンド・フラッシュ」などをいきなり置くべきではないですし、メニューに表記するのもどうかという話です。

「ヌワラエリヤ」など紅茶を好きな方なら知ってそうな名前でも一般では「?」ってなる名称です。味が想像できないわけですね。

お店をやるという見方、紅茶が好きな方は忘れがちなのですが、まず茶葉の産地名は一般的ではないです。「○○農園・ウバティー オータムナル」と書いて味が予想できるお客様がどれだけいるのか、ということです。

知らない方でも楽しめるように。

こういったブランド名の紅茶を提供するのはずっと先の話で、「お客様にニーズがあり、確実に注文が多くて、仕入れ分を捌ける」と確信出来る場合です。(今後の記事で詳しく書きます)

まずは紅茶についてほとんど知識のない方が来店され、「あれ、たまたま入って注文したここの紅茶美味しい」と思っていただけることがスタートです。

ですので、理想的なメニュー表記は「ストレートティー」「ミルクティーブレンド」など、見た感じで紅茶のイメージができるものです。

アールグレイはぎりぎり?イメージがつきそうなので大丈夫そうですが、そもそもアールグレイって何が他の紅茶と違うの?って質問されて答えられる方が一般にどのくらいいるか疑問なので、柑橘系のフレーバーがあるなど注釈を入れたほうがいいかもしれません。

名前はシンプルに、伝わりやすく。

そして使う茶葉ですが、まず「わかりやすさ」が大事ですし、万人に受ける味、シンプルさも必要です。

その点でストレートティー向けは「ディンブラ」か「ヌワラエリヤ」、「ニルギリ」などが候補にあがるでしょうが、「ヌワラエリヤ」はやはりシャープな渋みが特徴ですし、ニルギリもシンプルさではディンブラのほうがよさそうです。

特徴のある茶葉は「わかりやすさ」ではいいのですが、やはり万人受けからは少し外れます。ダージリンなんかも名前はよく知られていますが、やっぱりすごく特徴のある茶葉で好みの差が激しいです。

そういったことを考えると、シンプルだけど、万人に受けるという点ではディンブラが良いのでは、という意見でまとまりました。当店でも「セイロンティー」としてメニューに載せています。

紅茶の基本として中心にディンブラを置く紅茶専門店が多いのもこういった理由です。

お客様の好みに合わせて。

こういった茶葉を提供し、お客様に受けいられていくことでいろんな要望やお客様の好みの傾向がわかり、「ああ、ストレート好きな方が多いからストレートティーのバリエーションを増やしてみよう」となるからですね。

ミルクティー向けだとアッサムを中心としたブレンドがやはりわかりやすいです。

力強いコクでミルクティーにはピッタリですし、ミルクティー向けとしてはオーソドックスだと思います。フレーバーティーだとフルーツ系は好みがいろいろあるので、やはりオーソドックスなのはアールグレイティーになるのかなという感じです。

ここで再びメニュー表記ですが、

・ディンブラ
・アッサム
・アールグレイ

と書くと、かっこいいというかこだわってるなーという気がしますが、それは知識のある方だけなので、一般の方からするとどれがどんな味なのか想像できません。ですので、

・ストレートティー
・ミルクティー
・フレーバーティー(アールグレイ)

などのほうがいいと思います。茶葉を聞かれた場合だけ「アッサム中心のブレンドです」など答えたらいいのではないかということです。

(なぜアッサムです、ではなくてアッサム中心のブレンドと書いたのかも今後の記事で書きます)

さて今回は長くなりましたので次回に続きますが、今回書きましたオーソドックスな3種ではなく、「メニューはこういうのからスタートするのも面白いかも」といった内容です。

Blog Category

ブログカテゴリ一覧

Page TOP