先日、Twitterでこのようなツイートをしたところ、非常にたくさんのご反響をいただきました。
スタッフ「野田琺瑯のミルクパンかわいいよね~(チラッ」
スタッフ「赤色のポットとかあったらいいよね~(チラッ」マスター「よっしゃ」
~忘れた頃~
マスター「でけたで」
スタッフ「( ゚Д゚)」…というわけで、マスターが作ってくれました!!!!
めちゃ可愛すぎませんか…😳
ホ、ホスィ… pic.twitter.com/umhGp54So0— 【英国紅茶専門店】ロンドンティールーム (@londontearoom_) December 23, 2022
多くの方にご反響をいただいた、こちらの赤いティーポット。
皆様からは販売希望のお声もいただいており、大変うれしく思います。
しかし、私としては販売ではなく、 プレゼントとして皆様にお届けしたいと考えております。
プレゼント限定にしたわけ
プレゼント限定にした最大の理由は「お客様への恩返し」、そして「紅茶を茶葉から淹れる美味しさを広めたい」という2つの想いが強くあったからです。
そもそも、最初に赤いティーポットを製作したのは、Webスタッフメンバーの一言から端を発した思いつきでした。
以前からご好評をいただいていた、野田琺瑯製のミルクパン。
そんなミルクパンと同じ、ロンドンバスのような赤色のティーポットをステンレスで作ってみたら面白いのでは、と考えたのです。
また、ロンドンティールームには特許を取得したステンレス製の茶こし付きティーポットもあります。
これを1人用のサイズに改良したら、それこそロンドンティールームならではのものになるのでは…
そう思い、製作に踏み切ったのです。
そうして、いざ出来上がったものを手に取ってみて眺めてみて。このティーポットを使ってお茶を淹れてみた時。
ふと、ここまで40年、お店を支えてくれた歴代のお客様のことが頭に浮かびました。
日本全国から大阪の梅田の片隅にあるお店まで紅茶を楽しみに来てくれたり、常日頃から茶葉を購入してくれたり。
そんなお客様に、40年間、私がお返しできたものはどれほどあったでしょうか。
商売だから、と言ってしまえば、それまでの話なのですが、、、
それならば、40周年という記念だからこそ、他社では思いつけないような面白い試みを組み込んだモノを作って、恩返しがしたい!
ロンドンティールームをこれまで愛してくれた皆様に、この赤いティーポットをお届けしたい!
手に取るだけでテンションが上がるようなティーポットで、茶葉からお茶を淹れる楽しさを、お茶の美味しさを、もう一度お伝えしたい!
そして、願わくば「ほっと一息つけるティータイム」がもっと身近に・日常的になってもらえたら…。
そう考えて、ステンレス製の赤いティーポットは皆様へのプレゼントにすることを決めました。
プレゼント限定にこだわった、もうひとつの意図
赤いティーポットを商品にしない背景には、「永く大事に愛用してほしいから」という意図もあります。
こんなことを言うと、”昭和生まれの古い価値観の押し付けだ”と怒られてしまうかもしれませんが…。
昭和時代は手に入れたものを修理したり手を加えたりしながら、世代を越えて長く愛用していくのが普通だったものです。
私が幼少期の頃は資源も設備もお金もない中でモノ作りを行う時代でした。
道具も機械もなく、限りなく少ない資源の中で、発想力と技術力だけで最大限の創意工夫を凝らす。
これが「日本のモノづくりの原点」と言えると考えています。
その最たるものが、戦後に流行した「ブリキのおもちゃ」ではないでしょうか。
日本が世界第2位の経済大国にまで上り詰めたのは、”資源のない中でいかに永く使われる商品を作れるか”といった「モノづくりの志の高さ」とがあったからと言えるでしょう。
商品として販売すれば、買い替えが利きます。
もちろん、「せっかく買って手に入れたものだから」と大多数の方は大事に扱ってくれると思います。
しかし、この赤いティーポットは「もっと気軽に紅茶を美味しく楽しく淹れてほしい」と考えてきた末に形となった、40年間の喫茶経営人生の賜物です。
そして、何よりティーポット製作を実現してくれた職人の気持ちを考えると、「買い替えが利くもの」と思う人が出てきてしまっては、些かやり切れないという気持ちになってしまうのも正直な本音です。
だからこそ、プレゼントにすることで限定品というプレミア感もあいまって大事に愛用してもらえるのではないか、というのが隠れた意図にあるのです。
販売目的じゃないからこそ出来た、挑戦的なモノづくり
この赤いティーポットは、紅茶専門店の経営者としてだけでなく戦後の昭和時代を生き抜いてきた私のすべてを詰め込んだ、集大成であるとも言えます。
私は敢えて「ステンレスに赤い色を塗装する」「特許を取得した茶こしを、ポットの形に合わせてコンパクトにする」といった”ロンドンティールームならでは”なアイデアを盛り込むことで、40周年記念に相応しいものにしようと考えたのです。
そして、私と同世代の激動の時代を生き抜いてきた熟練職人が、「長く付き合ってきたロンドンティールームの40周年記念品」だからと、私のわがままに付き合ってひとはだ脱いで製作してくれたものです。
これは40年間「手作りした日本製の商品の良さを語り継いでいきたい!」と、頑なにメイドンインジャパンにこだわり続けてきた私の理念に賛同してくれたからこそ、実現できたものと言えるかと思います。
まとめ
長くなってしまいましたが、赤いステンレス製ティーポットを「プレゼントする」ことにこだわる理由がお分かりいただけたのではないかと思います。
できればメイドインジャパンの誇りに共感して大事にしてくださる方に受け取ってほしい…。
そう考えています。
しかし、私の最大の目標はやはり「紅茶を茶葉から淹れる美味しさを広めたい」ですから、ひとりでも多くの方にこのティーポットで手軽に楽しくティータイムを過ごしてほしいというのも本音です。
先日ツイートした写真をご覧になって「確実に手に入れたいから販売にしてほしい」と非常に多くの方に言っていただけたことは、それだけこのティーポットが魅力的に感じていただけた証拠ですから、開発者冥利に尽きます。
私としてもここまでご反響いただけたのであれば、欲しいと思ってくださる方に是非とも受け取っていただきたいという気持ちもあります。
景品表示法という法律の範囲内とはなりますが、様々な趣向を凝らしてひとりでも多くの方に行き渡るよう、出来るだけのことはやり尽くすつもりでいます。
販売希望の声をあげていただいた皆様にはご要望通りに添えられず本当に申し訳ありませんが、「プレゼント」という形で出来るだけ多くの方に受け取ってもらえるキャンペーンを考えていきますので、楽しみに待っていてください。