今回は紅茶の知っていてほしい基礎知識を前後半にわけて、その前篇をお送りいたします。
紅茶とは
紅茶とは、「ツバキ科の照葉樹林帯植物の若葉、芽および柔らかい茎を原料として茶葉自身が持つ酸化酵素の働きにより、強発酵、乾燥の工程を通して製造されたもの。」となります。
「強発酵、乾燥の工程を通して製造されたもの。」ここが、緑茶(緑茶は発酵の工程がありません。)との違いです。
ツバキ科と書いていて、やっぱり花は咲くのかなと思って調べてみました。お茶の木も花が咲くんですね。知らなかった・・・
基本の製造法(オーソドックス製法)
基本的な紅茶の茶葉の製造方法になります。
1)摘採(てきさい):芽と下の二葉を手で摘む。(一芯二葉)
2)委凋(いちょう):茶葉をしおらせ、水分を落とすこと。
3)揉捻(じゅうねん):捻り、揉み組織を破壊して、酵素と酸素が接触しやすくして、発酵を促す。
4)玉解き(たまとき)Roll-Breaking:塊ほぐし、放熱、酸化発酵促進。
5)発酵(はっこう):茶のタンニンと、酸化酵素の働きで化学変化が起こり香気成分が生成される。
6)乾燥(かんそう):熱風で水分が3-4%まで乾燥させる(発酵を完全に止める)出来上がりの茶を「荒茶」と言う。
7)清浄 Cleaning:繊維、木茎、粉塵除去
8)等級区分:3~4段の「櫛」(シフター)で区分けする。ここでOP, BOP, BOPF、DUSTなどに分けられる。
9)ブレンディング
結構工程がかかって始めて美味しい紅茶になるんですね。ちょっと緑茶の作り方にも似ているなと思いました。
紅茶の主要生産地
紅茶といえば、ダージリンやアッサム、ディンブラなどぱっと思いつきますよね。そのダージリンやアッサムなどの名前は生産地の名前なんです。
ですので、インドのダージリン・アッサムやスリランカ(セイロン)のディンブラ、ウバ、ヌワラエリアなどが有名な生産地となります。
その他、ケニヤ、インドネシア、中国(緑茶が中心)、ネパール、バングラデシュ、日本(緑茶)、マラウイ、ウガンダなどでも生産されています。
全世界の生産量は約3,420,000トン(緑茶を含む)にもなります。
日本の概況
日本は、紅茶をほぼ100%にあたる約15,400トンを輸入で賄っています。緑茶は国内で約99,300トン生産し、約15,200トン輸入し、計114,500トンとなっています。
今回は「紅茶の基礎知識(前篇)」として紅茶の基本的な知識をお届けしました。
後半では紅茶の等級、紅茶の淹れ方のルール(ゴールデン・ルール)、茶葉の種類、紅茶の効能などをお届けしたいと思います。
(ロンドンティールーム オンラインマガジン編集部)