Tea Story 読めばきっと好きになる紅茶のお話

2023.09.19

現役スタッフに聞いてみた。②

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今回は「紅茶のプロに聞いてみた」の第2弾。ロンドンティールームで積極採用中の「紅茶のプロ」のお仕事について、インタビューしてみました。

今回お話を伺うのは、ホールスタッフのリーダーと紅茶教室の講師を担当するMさん。お客さんの中には、Mさんのファンも多いんだとか…。

ドラマの登場人物に憧れ、紅茶の世界に踏み出し、自分の店を持つ夢を叶えるため奮闘するMさん。

そんなMさんに、ロンドンティールームのお仕事で学んだこと、成長したこと、そして将来実現したいこと。がっつりインタビューしてみました!

きっかけはドラマの登場人物

紅茶が好きになったきっかけはありますか?

紅茶はいつの間にか好きになっていましたね。実は僕、コーヒーが飲めないんです。

だからカフェに入った時は、紅茶しか選択肢がありませんでした。それで、ずっと飲んでいるうちに、だんだん味や香りを気に入ってきたんです。

といっても、当時は詳しいことは何も知りませんでした。お茶の名前も、どう違うのかも全然知らないまま、雰囲気だけ楽しむところから始めたんです。

では、ロンドンティールームで働こうと思ったきっかけは?

さっきと話がかわってしまうんですが、好きな刑事ドラマのキャラクターが紅茶好きで。落ち着いた雰囲気で紅茶を飲む姿がカッコよくて、印象に残っていたのもきっかけでしょうか。

それで、実際に撮影に使われたお店に行ってみたい、働いてみたいと思ったんです。ただ場所が東京だし、そもそも募集がないし…。
じゃあという事で、住んでいる大阪に的を絞って紅茶屋さんの求人を探すことにしました。

そこで、ロンドンティールームを見つけたんです。当時は全然違う仕事をしていましたし、飲食店でアルバイトした経験もなかったんですが、「当たって砕けろ!」の精神で思い切って踏み込んでみる事にしました。

Mさんの憧れの人、もしかして相〇の杉〇右〇さん?

バレましたか(笑)お店であの淹れ方ができたらカッコいいな〜なんて思ってたんですが、実際やってみると尋常じゃなく熱いんですね…。

味が良くなるわけでもないし、パフォーマンス以上の意味はないからやめときなさい、とマスターに言われてからはやってません。

お店ではどんなお仕事をされていますか?

ホール(接客)を担当しています。紅茶を淹れるときはキッチンに行くこともありますが、基本はホールで働いています。あとは、紅茶教室の講師のお仕事もありますね。

仕事内容は…その時に必要なことをする、という感じです。お客様からオーダーを取って、飲み物や料理をお届けして、時々紅茶に関する質問にお答えしています。

お店の紅茶を淹れることはありますか?

はい、時々紅茶を淹れてご提供しています。入店して少し経ってから練習を始めて、お客様に出せる味になるまでは結構かかりました。

店に入る前までは紅茶のこともほとんど知らなくって、正直いうと「紅茶を淹れるって、茶葉とお湯を注いで」っていう認識だったんです。材料がシンプルな分、簡単そうに見えていたんだと思います。

実際は、茶葉とお湯だけで淹れるからこそ難しくて、技術が問われる奥深いものでした。

それに、紅茶を淹れるには、20種類くらいある紅茶の味・香りを全部覚えるのが必須なんです。茶葉によってちょっとずつ蒸らし時間なんかが変わるので、覚えないとどうしようもなかったり(笑)

そうやって何度も練習して、毎日同じ紅茶を飲んで舌を慣らして、少しずつお茶の違いがわかるようになって。それで初めて、マスターに認めてもらえるような味になりました。

ホールリーダーの仕事は、工夫がいっぱい

今はホールリーダーだと伺いましたが、いつから始められたんですか?

だいたい3~4年前くらいからですね。入店して4年くらいの頃です。2014年の12月に入店してからずっとホールをしていたのですが、入って4年目に当時のホールリーダーがお店を卒業されました。

誰が次のリーダーになるか、と話し合ったときに、マスターが自分を推してくださったんです。

それまでは普通のスタッフだったので、自分に務まるかは不安でしたね。ただ、任命されたからには期待もあるし、できない人には任せないだろうとも思ったので、頑張ってみることにしました。

とはいえ、リーダーのお仕事って大変じゃないですか?

大変というか、単純に勉強不足の状態でリーダーになったものですから…。うん、やっぱり大変でしたね(嘆息)

それまでは、自分のわからないところは誰かが埋めてくれると考えていたんですが、リーダーになると穴埋めをする立場になるわけでして。やったことないお仕事も全部まとめないといけないから、とにかく失敗が多かったです。

そこからどうやって今の仕事ぶりに?

さすがに数年やっていると、マシにはなってきますね(笑)
自分の場合、色々工夫してやっとまともに仕事ができるようになりました。人に教える立場だから、まず仕事のことを全部自分で覚えるところから始めましたね。もう怒られてもいいから、全部やろうと。

そこまでやって初めて、リーダーの自覚を持てました。それまでは、本当に周りが見えてなくて自分のことばっかりで。自覚というか意識を持って周りを見たら、いろいろ改善できそうなところが見えてきたんです。

具体的に、どのような点を改善しましたか?

レジとか、メニューとか、色々変えました。中でも、自分が一番関わったのが、新人さんに教えることをまとめたマニュアル作りですね。

自分がお店に入った当初は、教えることは全部口頭で伝えて、覚えてもらうやり方でした。でも、自分はなかなか覚えられなくて、すごく苦労したんです。
それで、後に入ってくる人が仕事に慣れやすいように、覚えることをまとめたものがあった方がいいんじゃないか、と思ったんです。

それで、新人さん向けのマニュアルを作ったり、バックヤードに覚えることを書いて貼っておいたりすることにしました。迷ったときにひとりでも判断ができるし、お客様からの質問にも答えやすくなったと思います。

他のスタッフさんのことも考えてのことだったんですね。

役に立っているのは嬉しいですが、きっかけになったのは全部自分の「もっと便利にならないか」という考えです。

結局、自分が不便だと思って、どうしたら便利になるか考えた結果なんですね。ただ、せっかくなら他の人にも見てほしいとおもってあれこれやっていたら、定着したというか。結果的に役に立ったので、やって良かったと思います。

そんなMさんが、仕事で大事にされていることは?

「忍耐」ですね。こういうインタビュー記事で言っていいかわからないですが、やっぱり忙しい時もあるし、イレギュラーは起こるし。そういうときでもスムーズに動けるよう、いろんなものにある程度耐える必要はあると思いますね。

あとは、月並みですがチームワーク。ホールのお仕事は、チームワークができるか次第で、回転率が全然違うので。とはいっても、スタッフ1人1人が状況を判断しながら連携するのは難しいから、リーダーとしてうまく回るようにサポートしています。

お客さんの目線で、紅茶の楽しさを伝える

紅茶教室の講師を始めたきっかけは?

ホールリーダーになるよりも前だから…入店して、2年くらい経った頃だと思います。ロイヤルミルクティーの仕込みをやってみないかと声をかけられて、やらせてもらったのがきっかけです。

当時は、あくまでマスターの手伝いをするくらいのお仕事で、自分が主体になることはありませんでした。そんなときに、声をかけてもらって、自分含む3人で紅茶教室を開くことになったんです。

紅茶教室では、どんなことを教えられていますか?

ロンドンティールームのお店でお出ししているような、美味しい紅茶の淹れ方を教えています。ティーポットで淹れることもあれば、お鍋で煮込むロイヤルミルクティーをしっかり教えることもありますね。

ただお茶の淹れ方を教えるだけじゃなくて、紅茶の楽しみ方や美味しさを知ってもらえるようにしています。

紅茶教室を始められる前に、勉強されたことは?

最初は、お店で扱っているお茶を知るところから始まりました。当時10数種類あったお茶を全部、抽出する時間も変えて味見してみて、お茶の違いを味や香りで覚えていましたね。

後は、紅茶メーカーや紅茶屋さんのパンフレットをもらってきてひたすら読んだり、調べたことや学んだことを大学ノートに書きこんだり。勉強というよりも、文化祭の前の準備みたいな楽しさがありました。

ちなみに、お気に入りの紅茶は?

ルフナティーです。働き始めた頃や、教室を始めたころにいろいろ味見して、一番おいしいと思っています。紅茶教室の準備をしていた時の思い出のお茶、というのもありますね。

講師をする中で、楽しかったことを教えてください。

とにかく準備が楽しかったです。1回目の紅茶教室をするときは、お店の仕事の傍らで本当にいろいろやりました。

お茶を入れる練習をするのはもちろん、尺の中に納まるように台本を作ったり、ちゃんと尺に収まるようにシミュレーションしたり、その内容を録音して聞いてみたり。時にはお店が終わってから、講師陣でファミレス行って、延々話し合ったりもしましたね。

それだけ準備して1回目の紅茶教室に臨んだんですけど、最初から完璧とはいきませんでした。やっぱり緊張するし、手が震えてうまく淹れられないし、そもそもしゃべるのはあまり得意じゃないし。

最初は全然できなかったんですけど、数をこなしていくうちに慣れてきて、うまくできるようになってきました。

挑戦したい人たちへ

今後のキャリアプランや、展望について教えてください。

小さいところでも構わないので、お店を始めたいと思っています。といっても、最初から自分のお店を持つことをモチベーションにしていたわけではないんですね。

お店を持ちたいと思ったきっかけは、紅茶教室の講師を務めたことでした。ご参加頂いた方々や、僕のファンだと仰って下さる方とお話するうちに、「もしお店を持てたら、もっとゆっくりお話ができるんじゃないか」と思ったんです。

紅茶教室の講師をやったことで、お店を持つ感覚がより身近になったと思います。

…ちなみに、ファンを作る秘訣は?

自分に聞かれてもちょっと(笑)皆さんありがとうございます、としか言えないです(笑)

最後に求職者の方に向けて、メッセージやアドバイスをお願いします。

一言でいうと、「当たって砕けろ!」ですね。やる前から判断しようとしても、やってないからわからないし。まずはやってみてください。一番大事なのは、やってみて、楽しむことです。

ロンドンティールームで新たな挑戦をしたい、でも最初の一歩がなかなか踏み出せないという方は、まずはお客様として一度ご来店ください。 それでお店が気に入ったら、働いてみてほしいです。

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