はじめに
皆さんは普段紅茶をどのように楽しみますか?
ストレートティーを好む方もいれば、ミルクティーを好む方もいることでしょう。さまざまな飲み方を楽しめるのが紅茶の魅力の一つでもありますね。
この記事では、ミルクティーに焦点を当て、おいしいミルクティーを楽しむために欠かせない重要なポイントについて、お話しできればと思います。
※この記事はレシピを紹介する記事ではありません。
イギリスのおいしいミルクティーとの出会い
ロンドンティールームのマスターが初めてイギリスのミルクティーを味わったのは、空港に併設されたティースタンドでのこと。
フランス旅行の帰りにイギリスを経由して帰国することとなった際に、イギリスと言えば紅茶だからと、そのティースタンドに立ち寄ったのだとか。
ホテルのアフタヌーンティーのようなきらびやかな空間でもなく、注文した紅茶も大きなマグカップにティーバッグをいれて、お湯を注いだだけのラフなスタイルのものでした。
周囲のイギリス人の様子を観察すると、誰もがミルクとお砂糖をたっぷりと加えて味わっていました。見よう見まねで同じようにたっぷりのミルクとお砂糖を加えて味わってみると、それは衝撃的なおいしさでした。
それまで日本では、どちらかといえば紅茶よりもコーヒーだったマスターにとっては、この時の体験は、ミルクティーの概念を根底から覆すほどのものだったそうです。
その後、何度かイギリスへ足を運ぶたびに定番となったのは、町のティールームめぐりと、スーパーで買った紅茶をホテルに持ち帰って飲むことでした。
ホテルでのアフタヌーンティーも経験したそうですが、こうしたスーパーや町のティールームでイギリス人が日常に飲む紅茶に大きな魅力を感じました。
イギリスのミルクティーと、当時の日本のミルクティーの違い
イギリスのミルクティーと、当時の日本の紅茶では何が違ったのでしょう?
当時の日本の喫茶業界では、紅茶と言えばコーヒーが飲めない人が飲むものといった位置づけで、メニューにはただ「紅茶」とあり、注文時に「ミルク」か「レモン」かを選ぶといったスタイルが主流でした。
ミルクティーを頼むと紅茶といっしょに、ポーションミルク、いわゆるコーヒーフレッシュがともに提供され、紅茶の種類によらず、どんな紅茶であってもそれを加えれば、「ミルクティー」という認識が一般的だったといえるでしょう。
おいしいミルクティーの秘密は、「ミルク」と「ブレンド」
おいしいミルクティーを楽しむために最も大事なこと、それは濃厚でおいしいミルクを用意すること、そして、そのミルクに合うように、茶葉をブレンドすることです。
酪農が盛んなイギリスでは濃厚なミルクが多く市場に出回っており、このコク深いミルクはそれだけで飲んでもとてもおいしいものでした。
しかし、どんな茶葉にもこの濃厚なミルクを注げばおいしいミルクティーになるか、と言われればそうではありません。
ミルクティーにふさわしい茶葉が必要なのです。
日本では、日本茶からの流れか、渋みがあり、コクが控えめなタイプの茶葉をストレートで飲むことが長らく好まれてきました。このタイプの茶葉は、ミルクを加えた場合に、ミルクのコクに紅茶の味が負けてしまいます。
ミルクティーで楽しむ場合には、特に大事なのが「コク」です。
そのため、イギリスの各紅茶メーカーでは、イギリスの濃厚なミルクを加えることを前提にミルクに負けない紅茶となるよう、ブレンドしています。
特にミルクティーに向くとされるのが、渋みが少なく、コクの強い茶葉です。
ロンドンティールームでは、濃厚なミルクを基準に、そのミルクに負けないよう、紅茶をブレンドすることでイギリスのあの美味しいミルクティーを再現しています。
当店のように、ミルクティーのために、ブレンドした茶葉を多数取り揃えているお店もなかなか珍しいのではないでしょうか?
ミルクティー向きブレンドの種類を多数そろえている理由
ミルクティーにとって、大事なのは使用するミルクと紅茶のブレンドが大事だとお伝えしました。
とはいえ、ご家庭によって「いつも使っている定番の牛乳」というものがあるでしょうし、飲食店様の場合は、料理やその他のメニューで使うことを考えて取り扱う牛乳を決めていらっしゃるでしょうから、中々使用する牛乳を変えることは難しいことと思います。
使用する牛乳により、どの紅茶との相性がいいかも変わってきますし、そして何より、どのようなミルクティーを好むか、「理想のミルクティー」は人それぞれです。
その点を踏まえ、ロンドンティールームでは、イングリッシュブレンドティーを始め、クイーンマリーティー、ロンドンブレックファーストティー、ファイブオクロックティーなど、ミルクティー向きブレンドティーを数多く取り揃えています。
お使いのミルクや紅茶の淹れ方など広くお客様の環境に合わせて、自分好みのミルクティーが作れるように、一種類のミルクティー向きブレンドに限定せずに複数の選択肢を用意しています。
様々な茶葉をお試しいただき、ぜひ自分好みの茶葉を見つけてください。