紅茶葉、とひとえにいっても種類も値段も様々。そんな紅茶を選ぶときに気になるのはお値段。
同じ100gでも数百円のものから数千円のものまで様々です。同じ種類、同じ産地なのにあまりにも違いすぎる値段。
今回はこういった値段の違いを生み出す要素を調べてみました。
1. そもそも高いか安いかの基準って?
ロンドンティールームのような紅茶専門店では、茶葉を見る際、キロ単価に換算して計算します。
これは同じようなパッケージでも30gのものと80gのものではもちろん値段が変わってくるからです。一見安い!と思っても量が少ないというのはよくあることです。
100gで1,000円の茶葉の商品であれば1kgで10,000円。茶葉であれば10,000円~15,000円というのが大体の通常値として見ています。通常の商品取引では15,000円以下のもが普通の商品で、15,000円を超えるものは限られたものです。
この価格以上のものとなると手が込んでいるブレンド(フレーバーティーなど)や生産量が少ないもの、ブランド価格がついていたり、海外からの輸入で関税がたくさんかかっている紅茶などいわゆるお高い部類になります。逆に10,000円以下となると仕入を大量に行い単価を下げることができる商品などです。
2. 種類、産地による違いは?
紅茶の種類や産地、取れた時期によってももちろん差は出てきますが、同じ産地、時期でとれた茶葉で大きな差はあまりでません。
出来のよかったエステートでとれたものはオークションで値段も上がりますが、基本的に紅茶は様々なエステートの茶葉がブレンドされて出来上がるもの。
そのため紅茶葉自体での値段の変化は大きく差がつきません。(大きな差がないというのは2倍も3倍も値段が変わることはないという意味です)
3. 関税?輸入?
紅茶葉は日本国内でブレンドしたりパッケージ詰めのために輸入するのなら「農産物」扱いなのですが、缶などに入った状態で輸入すると「商品」扱いになり関税が高くなりコストに反映されます。
また茶葉だけ農産物として輸入する際はコンテナ詰で船舶輸送ですので、商品となる少量の茶葉あたりの価格はほとんど気にしないで済みますが、日本であまり売られていない小取引の商品などは空輸で運ばれることが多く、そのため運賃が大幅にコストとして計上されることになります。それがそのまま価格に反映されるので、キロあたりも数千円~数万円のプラスになってしまいます。
4. ブランド価格って・・・
同じような原料の茶葉、ブレンドでもブランドによって価格は大きく変わります。ここでキロ単位に直した時に数千円~数万円の差がつくこともザラです。
名前だけで高額になっているというよりは、ブランドを維持するための研究やブレンドのセンスを保つための費用、信頼感などが上乗せされているとも言えます。
5. 見極め方法は?
インターネットで紅茶を購入する場合は、まず「商品プラス送料になる」ので、送料を差し引きます。(送料込の場合は商品の価格に送料が含まれています。800円の紅茶で送料無料だと300~500円が紅茶の値段です。)
送料に含まれる場合もありますが、梱包・包装にももちろんコストがかかるので、これがおよそ10円~50円。ギフトなどは数百円コストがかかります。
上記を差し引いた価格が紅茶の商品としての値段です。店頭販売している価格に近くなります。もちろん製品パッケージのコストも入っていますが、茶葉だけ手に持って帰れないのでこれは仕方がありません。(オシャレなシールや紙パッケージ、密封アルミ袋など保存機能の高いものだと数十円~100円前後が含まれています)。
また缶入りの紅茶は缶の代金が100円前後と意外と高くついていますが、保存缶を別で買うことを考えればかなり割安になっています。こうして商品以外のものを差し引いた値段をキロ換算して数千円~15,000円以下であればおよそ通常の商品です。
15,000円を超えるようでしたら希少品もしくはブランド価格に近いということになります。
気をつけないといけないのはインターネットでとにかく安い商品などです。送料込みで数百円のものなどは一見お得に見えますが、店側でマーケティング的に赤字に近いプレゼント価格で展開していない限り、コストを差し引くとキロ数百円のものがあったりしますので要注意です。
有名ブランドのものは値段も高くなりますが、値段に恥じずにおいしい紅茶も多いです。
少しお金の計算などややこしくなりましたが、紅茶を買う際にお値段がお得かどうか判断する際、ぜひこの記事を思い出してください。
(ロンドンティールーム オンラインマガジン編集部)