ウバ、ダージリン、キーマン。
紅茶界の中でも、とくにメジャーなこれらの紅茶は、「世界三大紅茶(銘茶)」と呼ばれます。
今回は、そんな世界三大銘茶について、ちょっと詳しくなれるお話です。
紅茶に興味がある方、これから詳しくなりたい方は、ぜひご覧ください。
リプトンが手がけた「ウバ」
ウバティーは、スリランカのウバ地方で採れる紅茶です。セイロン紅茶は「ハイグロウン」「ミディアムグロウン」「ローグロウン」の3種類あり、生産地の標高によって分類されます。ウバは、海抜1800m以上の地域で栽培される紅茶であり、「ハイグロウン」の代表格です。
ウバ紅茶は、甘く刺激的な「ウバフレーバー」とよばれる風味や、メントールに似た爽やかな香り(サロメチール香)が特徴。ウバ地方で採れた紅茶には自然とメントールのような香りになるといいますが、不思議なものです。
キレのよい渋みとコクのバランスがよく、口に含んだときには確かな存在感があります。メントール香も相まって、目覚ましや気分転換に最適な味わいです。、ベッドでいただく「アーリーモーニングティー」にも、ウバティーが好まれたという話もあるんだとか。
今では一大紅茶ブランドとなった「リプトン」の創始者、トーマス・リプトンが初めて手がけた紅茶でもあります。スリランカ(セイロン)紅茶の歴史は、ウバから始まったといっても、過言ではありません。
コラム:もとはコーヒー大国だったスリランカ
スリランカといえば、紅茶。今では紅茶大国といわれるスリランカですが、大昔はコーヒーの国だったんです。もともとはコーヒーの栽培が盛んで、各地にコーヒーの木が植えられていました。
しかし、19世紀半ばにサビ病(カビの一種)が大流行し、コーヒーの木はほぼ全滅。代わりとなる産業として、当時スリランカを治めていたイギリスが、紅茶の栽培を始めています。
ロンドンティールームのウバティー
ロンドンティールームのウバは、スーッとする香りとキレよい渋みが特徴。メントールの香りでリフレッシュしたいときにピッタリのお茶です。
ポイントは、渋みの中に甘みがある、奥深い味にあります。口に少しずつ含んで、ゆっくりと味わってみてください。
甘みを味わいたい人は、ミルクティーにするのもおすすめです。メントールの香りと甘みを感じられる、爽やかなミルクティーに仕上がります。
紅茶のシャンパン「ダージリン」
インド生まれのダージリンは、「紅茶の王様」「紅茶のシャンパン」ともよばれる、紅茶界のエリート的存在。収穫した時期によって味がまったく異なるため、時期によって「ファーストフラッシュ」「セカンドフラッシュ」などと呼び分けられています。
その有名さから定番の紅茶と扱われがちですが、実はとても希少な紅茶です。インド国内で生産される茶葉のうち、ダージリンの生産量は1%以下。インド国土の東、西ベンガル、西ベンガル州の87茶園で生産された紅茶だけが、『ダージリン』を名乗ることができます。
「マスカテル・フレーバー」というマスカットに似たフルーティーな香りと、深いコクに上品で引き締まった渋みが特徴。すっきりとしていながら、どこか高級感を漂わせるダージリンの味わいは、シャンパンに例えられることも。
その味わいを生み出しているのは、ダージリン地方の過酷な環境です。1830年代に持ち込まれたさまざまな品種のうち、寒暖差が激しい環境に耐えられた中国種だけが、ダージリン特有の風味を生み出せます。
コラム:ダージリンの香りのヒミツ
ダージリン紅茶のマスカテル・フレーバーを生み出しているのは、「ウンカ」とよばれる虫のはたらきによるものです。ウンカに汁を吸われたダージリン茶葉は、「ファイトアレキシン」という抗体を作りだします。
この抗体を持ったダージリン茶葉を加工すると、マスカットのようにフルーティーな香りが出てくるのです。台湾茶の「東方美人」の香りも、ダージリンと同じ原理で生み出されているんだとか。
なお、ウンカはすべてのダージリン茶葉に寄ってこず、畑の一部にしか現れません。食害を受けた茶葉は価値が上がるため、特別扱いをするという、なんとも不思議な現象が起こっています。
ロンドンティールームのダージリンティー
ダージリンの上品な香りや渋み、うまみはそのまま。収穫時期や茶園など、さまざまな条件の茶葉をブレンドして、口当たりよく、飲みやすくブレンドしました。紅茶本来のうまみと飲みやすさを両立した、初心者から上級者まで幅広くおすすめできるお茶です。
飲んでからしばらくすると、だんだんと口の中で甘みと渋みが広がってきます。飲んだ後も紅茶のうまみが残り続けるので、ぜいたくな余韻を味わえるでしょう。味をじっくり味わいたい人は、ちょっと冷ましてから飲んでみてください。ミルクを入れるのが少しもったいないくらいのおいしさなので、ストレートでいただくのがおすすめです。
エリザベス女王の愛した「キーマン」
中国の安徽省(あんきしょう)、祁門縣(キームンケン)で栽培される紅茶です。キーマン、キームン、キーモンなど、さまざまな呼び方があります。希少性が高く、味も優れていることから、「ブルゴーニュ酒(ワイン)」に例えられることも。
味わいは等級(ランク)によって大きく変わり、高級なものほど甘い香りです。低級の茶葉は香りが弱いため、スモーキーな香りを付けられて販売されます。
高級なキーマン紅茶は、ランやバラ、リンゴのような甘い香りがします。渋みや苦みは少なく、甘み・うまみが豊かでコク深い味わいです。
うまみ成分が豊富な茶葉に仕上がる理由は、生育環境にあります。森におおわれた山岳地帯の茶園は、雨や霧が多く、多湿で気温が低い環境です。日光も当たらず、茶葉がうまみ成分を蓄えるため、特徴的な香りと芳醇な味に仕上がります。
コラム:上流階級に好まれたキーマン
最高級のキーマンティーは非常に高い値段が付けられ、上流階級の人々に好まれました。イギリスのヴィクトリア女王・エリザベス女王や、アメリカのルーズベルト大統領も、キーマン紅茶の虜になったんだとか。
また、英国王室では、女王の誕生日をキーマン紅茶でお祝いする習慣があります。昔は非常に貴重だったキーマン紅茶は、いわゆる縁起物として扱われたようです。
ロンドンティールームのキーマンティー
燻したような木の香りと、甘み・うまみのある風味がたまらない紅茶です。飲み始めから終わりまで、強く深いコク・うまみが続いてくれます。忙しい日々の中で、ちょっとしたリラックスタイムにおすすめの紅茶です。
さっぱりとした後味は、お菓子よりも食事の方によく合います。元から甘めの香りなので、ミルクや砂糖を入れずに飲むのがおすすめです。
「三大銘茶」は100年前の話だった!?
「世界三大銘茶」ときくと、一見すごそうに見えますよね。
実はこれ、今は日本でしか使われていない呼び方なんだとか、、、
というのも、「世界三大銘茶」は、およそ100年前の物なんです。
起源ははっきりとしませんが、1915年のパナマ・太平洋万国博覧会で表彰された紅茶が、三大銘茶とよばれるようになったといわれています。
日本では「ダージリン」が有名で、紅茶専門店以外で「ウバ」「キーマン」をお目にかかることはなかなか難しいもの。しかし、一度味わってみれば、三大銘茶に数えられている意味がわかるのではないでしょうか。
新しい紅茶に触れたいと思ったら、まず三大銘茶から始めてみてもよいと思います。
世界三大銘茶を、セットでおためし。
世界三大銘茶を飲み比べて、お気に入りの紅茶を見つけたい!そんな方におすすめなのが、ウバ・ダージリン・キーマン紅茶が全部入った「世界三大銘茶おためしセット」です。
ロンドンティールームのウバティー、ダージリンティー、キーマンティーが50gずつセットになっています。どれも通常50g 1,500〜1,800円の高級茶葉ですが、今回は3袋3,000円でご提供!1袋あたり1,000円で買えるチャンスなので、お見逃しなく。
産地・特徴が大きく異なる世界三大銘茶から、ぜひお気に入りの一杯を見つけてみてください。
7月19日から楽天市場店にて、期間限定で販売します。数に限りがございますので、お買い求めの方はどうぞお早めに、、、