年の瀬が近づき、体の芯まで冷えがちな季節となりました。
こんな時は、あったかいお家の中で、あったかいロイヤルミルクティー……そんな過ごし方はいかがでしょう?
というわけで、皆さんがそろそろ恋しくなるであろう、ロイヤルミルクティーのお話です。
当店、「ロイヤルミルクティー発祥の店」を名乗らせていただいていることもあり、
お客様からロイヤルミルクティーについて質問をいただく機会も多くあるのですが。
その中でも、一番多くいただく質問が「牛乳から煮込んだ方が美味しいのでは?」といった内容です。
皆さんも、一度は思ったことありませんか?
「薄いのじゃなくて、紅茶と牛乳の味がしっかりする、濃~いロイヤルミルクティーが飲みたい……」
「なら、牛乳で直接茶葉を煮込めば、もっと濃くて美味しくなるかも!!!」
……こう思っていた時期が、スタッフの我々にもありました。
実は違うんです。牛乳で直接煮込むと、味がうす~くなるんです。
いったいどうして薄くなってしまうのか?
どうしたら濃厚で美味しいロイヤルミルクティーになるのか?
その謎を探るため、
我々はロンドンティールーム堂島本店の奥地へ向かった…。
(マスターに聞いただけ)
※本当にバックヤードには入らないでください!!
牛乳で煮込むのはNG?
牛乳だけで茶葉を煮込むと、なぜ薄くなってしまうのでしょうか?
理由は、大きく2つあります。
- 成分のはたらきで、抽出が進みにくい
- 独特の風味が出て、茶葉の風味を感じにくくなる
①成分のはたらきで、抽出が進みにくい
牛乳に含まれる「カゼイン」という物質は、加熱すると茶葉の表面に膜を張ります。
これでは茶葉の成分がうまく抽出されないうえ、脂肪分も茶葉に絡んでしまう。
せっかく煮込んで茶葉を開かせようとしても、茶葉のうまみや甘味が牛乳に溶け込んでいきません。
カゼインと脂肪分が含まれた牛乳は、根本的に煮込み調理に向かない性質があります。
②独特の風味が出て、茶葉の風味を感じにくくなる
牛乳をお鍋やレンジで温めると、特有の風味が出ます。
ホットミルクとしてそのまま飲む分には問題ありませんが、ロイヤルミルクティーにするなら話は別。
牛乳と茶葉の風味がぶつかり合って、せっかくの茶葉の風味を感じにくくなります。
以上2つの理由から、牛乳は茶葉を煮込むのに向きません。
ちなみにチャイの場合でも、1から作る場合はお湯で抽出してから牛乳を加えて作ります。
本場・インドでは、あらかじめ作っておいたチャイをベースにして、継ぎ足し継ぎ足し作っているそうです。
当店のロイヤルミルクティーの場合
ロンドンティールームのレシピは、お湯で茶葉を煮込んでから、牛乳を足します。
最初にお湯で茶葉を煮込むことで、成分をしっかり抽出できるんです。
さらに、煮込み専用にブレンドした茶葉を使うことで、雑味も抑えられています。
こうして、紅茶と牛乳のうまみが凝縮された、濃厚なロイヤルミルクティーになるわけです。
最初はお湯で、その後にミルク。これを忘れなければ、ロイヤルミルクティーが薄くなることはありません。
そんなロイヤルミルクティーのレシピは2023年8月、特許認定されています。
特許を得られた最大の理由が、「砂糖なしでも飲める」こと。
雑味が出にくいよう茶葉をブレンドすることで、お砂糖を入れなくてもコク深いロイヤルミルクティーをお楽しみいただけます。
良い味を引き出すため、茶葉をブレンドするという考え方は、マスターが日本料理の「下ごしらえ」の概念から着想を得たもの。
スパイスや砂糖に頼らず、素材の味を引き出すために考え付いたそうです。
特許の内容について詳しくまとめた記事はこちら▼
まとめ
美味しいロイヤルミルクティーを作るには、次の3つを守ることです。
- 茶葉はお湯から煮込む!
- 牛乳は後から入れる!
- 煮込み専用ブレンドの茶葉を使う!
牛乳で煮込むとうまく抽出できないので、必ずお湯から抽出しましょう!
お湯で煮込んでしっかり茶葉を抽出すると、香り高くまろやかな風味の、おいしいロイヤルミルクティーになりますよ。