スコーンにホイップクリームを合わせるわけ

※画像はイメージです

こだわりのお話をする前に、そもそもクロテッドクリームとはどんな食材なのか？

テレビで初めて聞いた方も多いのではないでしょうか。

クロテッドクリームは、イギリス南部のデヴォン地方やコーンウォール地方で生まれたクリームです。生クリームと同じように生乳から作りますが、製法が異なります。

生クリームは、生乳から脂肪分のみを取り出したものです。一方のクロテッドクリームは、生乳を煮詰めて寝かせ、表面で凝固した乳脂肪分からつくられます。

脂肪分は60%程度と生クリーム（40%）より高く、どちらかといえばバターに近いような味わいです。生クリームのようなミルク風味はあまりなく、乳製品が苦手な方でも食べやすいんだとか。

ちなみに、クロテッドクリームが生まれたのはおよそ2000年前。
生クリームが作られはじめたのが16世紀（1500~600年ごろ）だと考えると、クロテッドクリームの方が1500年くらい早く誕生していることになります。

「スコーンにはクロテッドクリーム」というイメージは、ずっと昔からあるのかもしれませんね。

参照：https://www.kurashiru.com/articles/07a68af2-4dfa-4135-b158-373a2afa3f10
https://www.meiji.co.jp/meiji-shokuiku/know/lovable-milk/cream/

「田舎風スコーン」と「ホイップクリーム」。
当店のマスターがこの組み合わせに出会ったのは、数十年前のことです。

本場の紅茶を知るため、イギリスを旅していたマスター。
有名なホテルやレストランのアフタヌーンティーを楽しみつつ、本場の味を学んでいました。

マスターが田舎風のスコーンと出会ったのは、そんな時です。

観光のつもりで訪れた、イギリスの田舎町・コッツウォルズ。
何気なく入ったクリームティー（お茶屋さん）で注文した、ミルクティーとスコーン。

それが、運命の出会いでした。

素朴なスコーンにいっぱいのホイップクリームとジャムをのせて、一口。
そこに、これまた普通のミルクティーをまた一口。

その組み合わせが、とんでもなく美味しかった。
味付けも何もない、ただの素朴なスコーンなのに。
紅茶とスコーン、そしてホイップクリームが、完全に調和していた…。

自分のお店で出すなら、このスコーンがいい。
この美味しさを知ってほしい。

そう思ったマスターは、お店の主人だったおばあさんにレシピを聞き、
自分の店で出すことにしました。

これが、当店が田舎風スコーンとホイップクリームの組み合わせにこだわる理由です。

※「田舎風」と「都会風」のスコーンについては、別の記事で詳しく説明しています。こちらです↓
https://london-tearoom.co.jp/blog/scone-report/

※1989年、英国貿易産業大臣主催のレセプションにて当店のスコーンをご紹介いただいたこともあります。詳しくはこちらから↓
https://london-tearoom.co.jp/blog/country-style-scone/

当店のスコーンの美味しい食べ方をご紹介します。

1. スコーンを一口サイズにちぎりましょう。
2. ホイップクリームとジャムを欲望のままに（重要）のっけます。
3. 一口でパクっといってください。
4. しばらくかみしめます。この時点でおいしい。
5. ほどよいところで、ミルクティーをぐいっといきます。
6. めっちゃおいしい（語彙力）

説明なのか何なのかよくわからない解説でしたが、
とにかくこの手順で食べるのがおすすめです。

ちなみに、合わせる紅茶でおすすめなのは、
当店イチオシ紅茶の「ロイヤルミルクティー」。

濃厚なミルクの風味がスコーンにのっけたホイップクリームと絡み合い、
うまみをより高い次元へと引き上げてくれます。

当店のスコーンをまだ味わったことが無い方は、
ぜひこの食べ方で食べてみてください。

今回は、あらためてロンドンティールームの田舎風スコーンと、
ホイップクリームへのこだわりをご紹介しました。

クロテッドクリームも濃厚な味わいで、ジャムと一緒にのっけて食べるととても美味しいです。
もちろん、お菓子のようにチョコチップやレーズンが入ったスコーンも最高。

しかし。
身内びいきではありますが。

ホイップクリームと一緒に食べる田舎風スコーンと、ミルクティーの組み合わせは、
やみつきになるおいしさがあります。

スコーンにはクロテッドクリーム！と思っている方は、
一度当店で、ホイップクリームを試してみてください。

もしかしたら、あなたの常識が変わるかもしれません。