目次
2022年2月 プロ向け紅茶実践講座を開講致しました!
この道40年のプロから学ぶ「プロ向け紅茶実践講座」。
本格的な紅茶の技術を、自分に合った講習内容でマンツーマン実習!
- 「将来的にカフェを開業したくて、具体的に決めていきたい」
- 「紅茶教室の講師をしたい(教室を開講したい)」
- 「運営中の店舗のメニューに本格的な紅茶を導入したい」
- 「運営中の店舗のメニューに本格的な紅茶を導入したい」
本講座ではそうした方を対象に、講師がマンツーマンできっちりと伝授いたします!
「座学は学べても実践的なことを教えてくれる講座がない」、「実店舗をやっているところからノウハウを学びたい」といった需要にお応えしており、これまでにご参加頂いた方から「カフェを開業した」というご報告も複数頂いております。
今回は2022年2月に行われた講座レポートをお届けします!
講座内容
今回ご参加いただいたのは、将来的にご自分のお店を持ちたいとお考えのS.Y様。
以前から当店をご利用いただいていたとのことで、
「ロンドンティールームのような、美味しいロイヤルミルクティーと空間を提供する場を作りたい!」
という意気込みを強くお持ちくださり、今回の講習もとても熱心に取り組まれておりました。
講習時間は3日間、合計約12時間。(※ご受講日のタイミングによっては講座時間が前後する場合もございます。)
マンツーマンの講座なので、ご参加頂いた方のご希望等に合わせてオーダーメイドでカリキュラムを組みます。
今回は「カフェの起業」という点を重視し、店舗を構える時の立地や内装の話、利益を出すための考え方といったお店運営の話をメインに行いつつ、しっかりと紅茶の淹れ方やロイヤルミルクティーの作り方を習得していただきました。
まずはヒアリング
まずは当店マスターによるヒアリングから始まります。
「カフェの開業」とひとくちに言ってもお店のコンセプトや規模はもちろん、お店の準備状況や準備資金など開業の準備段階によっても考える事柄や打てる戦略が変わってきます。
今回Y様は「数年後の開業を目指して計画中で、経営面の話も聞きたい」というご希望のため、1日目と3日目の講座はお店を始めるにあたって気を付けた方がいいことなど数々のアドバイスや提案をメインに行いました。
今回ご参加のY様は講座中たくさんの質問をしていただき、ノートにもびっしりとメモをされておられる様子が印象的でした。
このような機会は他ではなかなか得られないので、講座を受講される方はぜひ積極的に聞きたいことを聞きだしてより多くの知識を持ち帰って下さいね!
紅茶の淹れ方を目で見て覚える
ヒアリングがひととおり済んだあとは、ご希望の内容に沿った紅茶の淹れ方を実習していただきます。
まずは講師がお手本としてミルクティー向きの紅茶をティーマグで淹れて、試飲していただきました。
当店では紅茶の種類を常時20種類以上用意しており、お客様に分かりやすいように「ストレートティー向きの紅茶」「ミルクティー向きの紅茶」といった2種類に分類してご案内しています。
ロンドンティールームは「ミルクティーが美味しい店」として多くの方にご認識頂いていますが、「ロンドンティールームが考える”美味しいミルクティー”とは?」という観点から淹れ方をご説明した上で、講師が淹れた紅茶を試飲していただきました。
「紅茶にこだわっているお店」で出店する場合、「ダージリン」や「アッサム」など産地ものの紅茶を取り揃えたくなりますが、当店でのお客様のオーダーは6~7割の確率でミルクティー向きの紅茶であり、特にここ数年の紅茶の嗜好傾向はストレートティー派よりもミルクティー派が多いと言えます。
ただし、どんな紅茶でもミルクを入れれば良いというわけではなく、コクがあってミルクを入れると更に美味しい紅茶もあれば、コクが全くなくミルクが浮いてしまう紅茶もあります。
「ストレートで飲んだ時とミルクティーで飲んだ時の味わいの違い」は必ず自分の五感で試して知ったうえで、メニューに導入する紅茶を決めましょう。
イギリスから学んだ、おいしいミルクティーを楽しむのに一番大切なこと
おいしいミルクティーになかなか出会えないという方必見!紅茶の本場イギリスのミルクティーから教えられた、本当においしいミルクティーのヒミツとは?
ロンドンティールームが考える「美味しいミルクティー」については、上記のブログでもご紹介しています。
また、お客様によってお好みが違うため、ミルクを入れるか入れないかはお客様のお好みにお任せするスタイルを取ると、お客様の満足度も高くなるかと思います。
次に講師がプロ向けのロイヤルミルクティーの作り方を実践し、ご見学いただきました。
当店のブログやYoutube上で公開している「プロ向けのレシピ」とは、毎日、安定した味を大量に提供する作り方という意味合いとなります。
プロとしての特別な材料・作り方というわけではなく、店舗をしっかり回していくための「業務用としての作り方」であることを端的に示す方法として「プロ用」「プロ向け」といった表現を採用しています。
ロイヤルミルクティーの作り方は一見、単純な工程にも思えるのですが、お店を開くと当たり前に求められる「毎日同じクオリティの味をお客様に出し続ける」というのは想像以上に奥が深いものとなります。
湿度や気温などの外的要因によって煮込み時間が変わってしまうことや、忙しくなると味にブレが出やすくなるため、作り方を感覚で掴むことがプロへの第一歩です。
ティーマグとティーポットで紅茶の淹れ方実習
2日目は実践学習をメインに行いました。
まずは茶こし付きマグカップ(ティーマグ)での淹れ方から。
ロンドンティールームオリジナルの「茶こし付きティーマグ」は1人前の紅茶を淹れるのに適しており、茶葉と湯量の適切なバランスを掴むために最適な茶器です。
紅茶を淹れる際に味のバラつきが出る原因が、茶葉と湯量の適切なバランスが難しいことです。
ティーポットで常に一定のクオリティを提供するためには感覚で覚えなければいけないため、経験を積むほかありません。
ティーポットでの提供の欠点を補い、忙しい時でも1人前分の安定した紅茶の味を提供できる茶器が、意匠登録済みのロンドンティールームオリジナル「茶こし付きティーマグ」です。
「誰でもおいしい紅茶を手軽に淹れられるように」というコンセプトのもと開発したもので、店舗でのお客様提供用として採用される店舗様も年々増えてきています。
やかんから紅茶を淹れる基礎練習として、まずは水の状態から「紅茶を美味しく淹れるための姿勢」を覚えていきます。
美味しい紅茶を提供するには沸騰直後の熱湯を素早く適切な量注ぐことが求められます。
「沸騰直後のお湯を素早く注ぐ」という動作は簡単なように見えて意外に難しく、特に慣れないうちは注ぐ速度がゆっくりになってしまったり、お湯が怖くてやかんとマグカップの距離を離してしまいがちです。
やかんが火元から離れれば離れるほどお湯の温度は低下してしまうので、紅茶の抽出に適した温度を保つためには火元から離さず勢いよくお湯を注ぐことが必要不可欠です。
「紅茶を美味しく淹れるための姿勢」を感覚としてつかむまで、水を使っての素振り練習を何度も繰り返し行います。
アスリートのように地道な練習を行うことが、紅茶を美味しく淹れるコツのひとつです。
コツが掴めたらいよいよ実践です!
「茶こし付きティーマグ」は1人前を淹れるのに非常に適した茶器で、フォームさえ安定できればあとは簡単に淹れることができます。1人で多くのオーダーを捌く時にも非常に便利です。
紅茶を淹れる時は、必ず汲みたての水を沸騰させた直後のお湯を使うことが大切です。
茶葉をティーメジャースプーンで計量しお湯に5円玉くらいの泡がたったら、ティーマグをまっすぐ持って火元からやかんを離さないよう注意しながら勢いよく注ぎましょう!
ティーマグに注ぎ終えたら、後は1分~1分半程度蒸らします。
紅茶の抽出が完了したら試飲タイム。
紅茶の水色(すいしょく)・香りを確認したら、まずは何も入れずにブラックで味わい・渋みを確認し、砂糖やミルクを入れてみてミルクに負けないコクがあるかどうかを確かめます。
茶葉の特徴をつかむためには様々な飲み方を試し、自分の五感で感じることが重要です。
次はティーポットで紅茶を淹れる実践です。紅茶を淹れる前、淹れた後はかならず差し水をします。
また、ティーポットで紅茶を淹れる際は予めティーポットをお湯であたためておきます。
ロンドンティールームでは、陶器製とステンレス製の2種類のティーポットを使い分けて提供しています。
陶器製のティーポットは口当たりがまろやかでマイルドな紅茶に仕上がるため、ダージリンなど産地ものの紅茶のようなストレートティーで楽しむ紅茶に適しています。
一方、ステンレス製のティーポットは抽出力が強く紅茶の味わいが濃くしっかりと抽出されるので、ミルクティーとして楽しむ際にはステンレス製で提供するとよりミルクに負けない紅茶の味わいを楽しむことができます。
ロイヤルミルクティーの作り方実習
紅茶の基本的な淹れ方を一通り実践したら、次は「ロイヤルミルクティー」実習です!
今回は1人前の基本的なロイヤルミルクティーの作り方を基に、5種類のスパイスアレンジレシピも実践していただきました。
基本的なロイヤルミルクティーの作り方を習得して頂きたかったので、実際に店舗で提供する時の効率的な作り方は口頭でご説明した上で、今回はすべてのアレンジレシピを一から作っていただきました。
アレンジレシピは工程がほとんど同じなため、繰り返し実習を行うことで大体の流れが掴めてご自宅でも復習しやすくなります。
1種類ずつ作ったあとは、試飲タイム!
それぞれのスパイスに個性があるので、アレンジひとつでロイヤルミルクティーの味わいの印象がガラリと変わります。
水出し紅茶を活用して、アイスティーを大量に作り置き
実はティーマグやティーポットなどの実習を行う前に、アイスティーの仕込みもやっていただいておりました。
沸騰直後のお湯に、ロンドンティールームオリジナルの「殺菌済み水出し紅茶」を入れるだけ!
これだけで水出し紅茶の従来の作り方よりも紅茶の味わいがしっかりと抽出され、美味しいアイスティーを作ることができます。
通常、アイスティーを作る際は沸騰直後のお湯に茶葉を投入したあと「クリームダウン(温度が低下するにつれて茶液が白濁する)」という現象が起きることを防ぐために、茶液を冷ます工程を一分一秒を争うスピードで何度も繰り返し行わなければならず、プロでも非常に難しい工程となります。また、紅茶は傷みが早く、作り置きがあまり出来ません。
その点、ロンドンティールームの殺菌済み水出し紅茶を使えばアイスティーの難点を一挙に解決でき、大量のオーダーが入る夏場や作り置きが必要な冬場にも対応することが可能です。
抽出時間は店舗様によってお好みで調整してください。
抽出が終わったあと茶液を常温まで冷ます際は、カップに小分けしておくと時間の短縮になります。
オーダーが入ったら氷を入れたグラスに移し替えます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回の講座はY様はお店運営の面にも非常に興味をお持ちだったため、経営や店舗作りのお話をメインに進めさせていただきました。
先にも述べたように、プロ講座ではおひとりおひとりに合わせた形で講習を実施します。
ロンドンティールームマスターである金川は、当店の前身となる店舗とあわせると45年にもわたって喫茶業を経営しており、路面店や百貨店などへの出店など多店舗運営も行ってきました。
喫茶業に長年携わってきた生の声が聞けるのが、この講座の最大の特徴のひとつです。
短い講習時間をフル活用して頂くためにも前もってご質問内容などをご用意いただくと、よりご希望に合わせた講座内容や多くのアドバイスをすることもできます。
「こういうことが知りたい!」「こういうことを学びたい!」などがあれば、ぜひ積極的にご質問頂いたければありがたいです!
最後になりましたが、S.Y様、本当にありがとうございました!今回の講座がカフェのご開業へのお力となれれば幸いです。
また開業の折には是非お知らせくださいませ!